軍用から始まったSUV黎明期の立役者「初代ディフェンダー」が今なお至高の存在である理由【中古車至難】

初代ランドローバーの中古車の味わい方

 しかしその後は各地の専門ショップが並行輸入車としてディフェンダーを数多く輸入したため、現在も初代ディフェンダーのユーズドカー自体は豊富に流通している。

 流通の中心は2012年以降の最終型で、この世代の搭載エンジンは、EURO5規制に対応した2.2リッターのディーゼルターボだ。乗り味は「無骨!」というほかないもので、高速域での直進安定性や快適性も、決して褒められたものではない。

 だがこのクルマにおいては、そういったことは「割とどうでもいい」と判断するのが正解だ。あまり速度は上げず、その昔から基本的にはほぼ変わっていないデザインと“たたずまい”を楽しむべきクルマなのだ。

●1948年−2021年 ランドローバー「ディフェンダー」

ランドローバー90世代から続くホイールベースでのグレード分けは、ディフェンダーの特徴。ドア数やオプションなどが異なり、共通するシンプルなデザインは上級志向のレンジローバーとは似て非なるものだ(C)ジャガー・ランドローバー
ランドローバー90世代から続くホイールベースでのグレード分けは、ディフェンダーの特徴。ドア数やオプションなどが異なり、共通するシンプルなデザインは上級志向のレンジローバーとは似て非なるものだ(C)ジャガー・ランドローバー

 2012年式から2016年式の中古車相場は700万円から1000万円といったところ。一般庶民の感覚からするとなかなかの高額であり、高額な割には前述のとおり、舗装路で快適な走りを披露してくれるわけでもない。

 そうであるがゆえに街を走る初代ディフェンダーの数は少なく、たまに見かけると、筆者などは思わず「おっ!」という声が出てしまうのである。

 メルセデスのGクラスやポルシェ「カイエン」など、いってみればありきたりなプレミアムSUVでは飽き足らない、あるいはあまり好きではないという個性派にはぜひおすすめしたい、なんとも玄妙な味わいの、そして希少性の高い1台が、この初代ランドローバー ディフェンダー。

 この時代にこういういい方が適切かどうかはわからないが、「男の乗り物」を探している人は、ぜひご注目いただければと思う。

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