日産が車中泊やキャンプブームに乗る!? メーカー自らキャンパー仕様を手掛ける訳
なぜ日産はキャンピングカーに本気?
キャンピングカーブームのなか、日産はこれからどのようなビジネス展開をおこなっていくのでしょうか。日産本社に聞いてみました。
――車中泊、キャンプ、トランスポーターなど、近年のキャンパー(キャンピングカー)ブームをどう捉えていますか。
数年前からのアウトドアブームに加えて、コロナ禍における「3密」を避ける移動手段としてますますニーズが高まり、新しい生活様式の一環として根付く可能性が高いと思います。
――NV350キャラバンで、トランスポーター、プレミアムGX ブラックギア、マルチベッドと続々登場させた背景は何ですか。
もともとキャブオーバーバンをプライベートで使ってアウトドアスポーツをおこなっているお客さまが一定層いらっしゃるので、そうした皆さまに対して我々もモビリティを提供したいと考えました。
そうしたなかで、デジタルメディアを中心に「車中HACK」などのプロモーションをしています。
――日産本社およびオーテックジャパンは、こうした分野でそれぞれどの部署がどのような枠組みで作業を分担しているのですか。
マルチベッドのような持込登録を必要とする特装車においては、基本的にオーテックジャパンも企画を担っています。
――販売店主導での事例など、新車から一歩進んだ改良・改造という視点でコンプリートカーの発想についてどう捉えていますか。
日産の販売会社でも独自に架装メーカーとタッグを組んで、キャラバンの特装車をお客さまに提供しているケースがあります。例としては、日産プリンス兵庫や、北海道日産など多くの事例があります。
――キャンパーや車中泊がこれから新車開発にどのような影響を与えると思いますか。
キャンパーや車中泊ユーザーの拡大によって、今後の新車開発にもお客さまのニーズを先んじて反映している必要性があると考えています。
※ ※ ※
日産は日本最大級のキャンピングカーの祭典「ジャパンキャンピングカーショー2021」(千葉県の幕張メッセで2021年4月2日から4日まで)でも、自動車メーカーとして唯一、正式出展をおこなうなど、この分野での新規事業を積極的に切り開こうとしています。
近い将来、キャランバンやセレナとは違う、「e-POWER」やEV技術を搭載したキャンパー専用車が誕生することを期待したいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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