かつての定番装備「フェンダーミラー」が減少 なぜタクシーだけに残るのか
かつての国産乗用車はフェンダーミラーが義務付けられていましたが、1980年ごろにドアミラーが解禁されて以降、姿を消していきました。現在は、トヨタの「JPN TAXI(JPNタクシー)」に標準採用されるくらいです。なぜ、タクシー車両にはいまだにフェンダーミラーが使われているのでしょうか。
2017年10月発売の「JPNタクシー」はなぜフェンダーミラーを採用?
1970年代の当時、乗用車のサイドミラーはフェンダーミラーが主流でした。最近の乗用車ではほとんど見かけなくなりましたが、なぜかタクシーだけはいまなおフェンダーミラーが装着されています。これにはどういった理由があるのでしょうか。
昔のテレビドラマや映画などを見ていると、サイドミラーがドアの付け根ではなく、フェンダーに装着されているのが目に付きます。
このサイドミラーは、通称「フェンダーミラー」と呼ばれるものです。ボンネットを持つ乗用車はこのフェンダーミラーが義務付けられていましたが、1983年に規制が廃止され、その後は日産「パルサーEXA」を皮切りとしてドアミラーが普及していきました。
2021年現在、ほとんどの乗用車においてドアミラーを採用。一方で、特殊なモデルとしてトヨタのタクシー専用車「JPN TAXI(JPNタクシー)」は標準でフェンダーミラーを採用しています(JPNタクシーは一般購入も可)。
JPNタクシーは、2017年に発売されたモデルで、トヨタがかつて販売していたタクシー専用車「クラウンコンフォート」の後継モデルとして位置付けられています。
日本のタクシーは大きく分けて法人と個人があり、個人タクシーは車種選択が運転手の自由です。一方で、法人タクシーはタクシー専用車であるJPNタクシーを導入する企業が多くなっています。
JPN TAXIがフェンダーミラーを採用していることについて、トヨタの関係者は「タクシー業界からの強い要望があるため」と話しています。
このようにタクシーには根強くフェンダーミラーが装着されているようですが、どういった理由があるのでしょうか。
東京都内の大手タクシー会社の担当者は以下のように話します。
「フェンダーミラーを採用している理由として視認性の良さが挙げられます。
フェンダーミラーは、一般的な乗用車のサイドミラーと比べて、頭を動かさずに視線移動だけで後方確認が可能です。そのため、結果的に視認性の良さにつながります。
また、ドアミラーの場合は、後方確認のたびに頭を動かすので、例えば後席に座っているお客さまの会話に聞き耳を立てているように思われる場合もあるでしょう。
ですが、フェンダーミラーであれば視線だけで確認できるので、そういった紛らわしい動作をする必要がないという点はメリットといえます」
1番のドアミラーのデメリット運転手さんが後方確認する時助手席のお客様が前屈みとか横山むきとかキチンとした姿勢でない時、または、膝に荷物とか置いてたばあい、人、荷物をすぐどかす事出来ないんですよ。助手席のお客様に、注文は付けれませんからね。自家用車ならどいて!の一言で済みますが。
実際はバックする時、線に沿って止めるのが難しいけどな
赤帽運送5年、教習所指導員を20年やってからタクシー運転手になりましたけれど、フェンダーミラーの死角の多さに閉口します。助手席のお客様にどいてほしいとか一度も思ったことはありません。国土交通省に忖度した結果ではないかと思います。
安全ならば国土交通省の職員さんの車は全てフェンダーミラーのはずですから。