ヘッドライト「眩しい」問題は解決する? ハイビーム推奨の動きが活発化する訳

クルマのライト類は日々進化を遂げており、最近ではより性能の良いLEDを採用するモデルが増加しています。また「オートライト機能」の義務化などの法改正や「ハイビーム推奨」など政府や警察などの動きもあります。一方でユーザーからは「眩しい」という声が挙がっていますが、現在のライト問題はどうなっているのでしょうか。

「眩しい」で済むのは安全の証拠?

 近年、クルマのヘッドライトはLEDが主流となり、夜道でも明るく照らしてくれます。
 
 しかしその反面、対向車や照らされた歩行者などからは「眩しい」との声も多く上がっています。
 
 なぜ、眩しいという声が多いにも関わらず、年々ヘッドライトの明るさや機能は向上していくのでしょうか。

「眩しい」という声は多数あるものの、日々明るくなるライト類。さらに法改正や推奨運動で眩しさは増加する?
「眩しい」という声は多数あるものの、日々明るくなるライト類。さらに法改正や推奨運動で眩しさは増加する?

 近年のクルマは、単にLEDヘッドライトを装備しているだけでなく、とくに暗い場所では自動でハイビームに切り替える「オートハイビーム」を採用するモデルも増えています。

 また、2016年には、道路運送車両の保安基準が改正され「オートライト機能」の搭載が義務化。新型車は2020年4月から、継続生産車は2021年10月から適用されます。

 道路運送車両法上では、ハイビームは「走行用前照灯」と明記され、前方100m先までを照らすことが定められています。

 反対に、ロービームは「すれ違い用前照灯」といい、前方40mが視認できるものと定められ、オートライト機能で点灯するのはロービームです。

 しかし、最近では積極的にハイビームを活用するよう推奨する動きが出ています。

 警察庁の「平成29年上半期における交通死亡事故の特徴」では、ハイビームを活用したことによる事故抑止効果を公表しており、半数以上がハイビームの場合に衝突を回避出来た可能性があったとしています。

 また、JAFが過去に実施した「ハイビームとロービームでの停止位置の違い」というテストでは、時速80kmでの走行時に障害物を発見して停止するまで、ロービームでは平均5.6m手前、ハイビームでは平均82m手前という結果が出ています。

 このようにハイビームの上手な活用は各都道府県の警察や市区町村などが推奨していますが、実際のユーザーからは「ハイビームが眩しくてかえって危ない」という声も出ているようです。

 実際に、JAFがおこなったハイビームに関するアンケートでは、「眩しい」と答えたユーザーが96%と回答しています。

 では、なぜ眩しいという意見が9割以上を占めるなか、ハイビームの使用が推奨されているのでしょうか。郊外の交通課職員は次のように話します。

「私たちは、山間部と市街地のどちらも管轄していますが、どちらの場合でもハイビームを推奨しています。

 そして、実際にオートライト機能が搭載されてからは、事故が減少しています。

 山間部で薄暮時や夜間に無灯火で走れば、ドライバーも前方が見えませんし、歩行者や対向車からも視認性は大きく落ちます。

 また、市街地では街灯があって明るいですから、ドライバーは無灯火で走る可能性が高くなります。そして、歩行者や対向車からは、周りが明るいために視認性は低くなります。

 実際に、市街地で無灯火のクルマと歩行者の事故というのは一定数発生しています。

 そのため、オートライトの義務化は事故防止に大きく貢献しているといえます。

 また、オートハイビームはとくに暗い場所においてはかなりの事故抑止となるでしょう。

『眩しいので迷惑』という人がいますが、そうまでしないと事故は防ぎきれないということです。

 事故に発展せずに眩しいというだけで済んでいるのは、ある意味幸せなことかもしれません」

※ ※ ※

 ハイビームの光が眩しいと不愉快に感じるユーザーは多いようですが、それは事故を防ぐことができている証拠ともいえるでしょう。

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