わずか販売台数50台のモデルもあり? 愛すべき珍車5選
現存数もほとんど無いホンダの激レア車とは
●ダイハツ「リーザスパイダー」
1979年に47万円という驚異的な低価格を打ち出したスズキ初代「アルト」が発売されると、軽ボンネットバンが軽自動車の主力となり、各メーカーがスズキに追従。
その結果、1980年代から1990年代にかけて、アルト、ダイハツ「ミラ」、三菱「ミニカ」が熾烈な販売合戦を繰り広げました。
そんななかダイハツは実用的なミラに対して、軽スペシャルティカーとして1986年に「リーザ」を発売。
リーザは室内空間よりもデザインを優先し、外観は全高を低くしたスタイリッシュなクーペスタイルの3ドアハッチバックで、若い女性ユーザーをターゲットに開発。
そして、バブル景気も終焉を迎えようとした1991年に、リーザの派生車としてソフトトップのオープンカー「リーザスパイダー」が登場しました。
リーザをベースにルーフとBピラー、Cピラーをカットし、もともとの荷室部分はソフトトップの収納場所となり、リアシート部分を荷室として使うことで2シーター化。
また、ボディ剛性の確保のためシャシ各部に補強部材を追加した結果、車重は730kgとベースモデルに対して90kgほど増加したため、エンジンは64馬力を発揮する直列3気筒ターボのみとされました。
外観はクローズド状態ではリーザのシルエットをキープし、フルオープンでは完全にソフトトップを格納することでスタイリッシュなフォルムを実現。
しかし、価格は145万3000円(5速MT、消費税含まず)とベースモデルより約40万円も上乗せされたことと、2シーターだったことから販売は低迷し、リーザスパイダーの販売期間はわずか2年と短命でした。
●ホンダ「L700/P700」
ホンダは1963年に軽トラックの「T360」を発売し、4輪自動車メーカーとしての歴史が始まりました。続いて同年に初の乗用車でスポーツカーでもある「S500」を発売し、さらに1964年には排気量をアップした「S600」が登場します。
そして、1965年には「高速時代のライトバン」というキャッチコピーとともに、S600のエンジンをベースに排気量を700ccへ拡大し、低回転域のトルク不足を補ったエンジンを搭載したライトバンの「L700」を発売。
L700は52馬力までデチューンされていたとはいえ、当時はスポーツカーでも非常に珍しかったDOHCエンジンを搭載し、国産車で初のストラット式サスペンションをフロントに採用するなど、ライトバンとはいえ先進技術を投入しました。
外観はテールゲートを備えた3ドアボディとなっていて、兄弟車としてピックアップトラックの「P700」もラインナップ。
しかし、商用車に複雑な構造のDOHCエンジンは適していないのは明らかで、販売数は極めて少ない状況でした。
1966年にはさらにトルク不足を解消するため排気量をアップした「L800」と「P800」を発売しましたが、やはり売れず、1968年には生産を終了。
栃木県のツインリンクもてぎ内にある「ホンダコレクションホール」にL700/P700ともに展示されていますが、現存数が極めて少なく貴重な存在となっています。
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数台から数十台限定のモデルは、欧州の高級車メーカーでは珍しくありません。とくにフェラーリは定期的に「スペチアーレ」と呼ばれる特別な限定モデルを販売します。
スペチアーレの代表的なモデルとして「F40」や「エンツォ・フェラーリ」、「ラ・フェラーリ」などがあり、比較的販売台数が多いケースもあります。
しかし、お金さえあれば誰もが買えるわけではなく、フェラーリにとって「特別なお客様」に限られています。
さらに、近年では発表された時にはすでに完売というように、発売前にフェラーリから「買いますか」というオファーが来るのが通例で、断ると二度とオファーが来ないといい、ある意味ブランド力が高いからこその商売ではないでしょうか。
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