「GT」グレードだけど違和感アリ? なぜかGTの名を冠した車5選
まるで「GT」がデフレ状態のようなモデルとは!?
●日産「エクストレイル 20GT」

2000年に誕生した日産初代「エクストレイル」は、クロカン車寄りながら都会派のユーザーも満足させるミドルサイズのSUVで、日本国内だけでなく海外でもヒットしました。
そして2001年には、専用のフロントバンパーと大型フロントグリルを装着し、2リッター直列4気筒ターボ「SR20VET型」エンジンを搭載する「エクストレイル GT」が国内専用車として追加ラインナップ。
最高出力はSR型エンジンで唯一の280馬力を誇り、トランスミッションは4速ATのみでしたがアクセルを踏み込んでターボの過給圧が高まると豪快な加速が味わえる、まさにGTを名乗るにふさわしいスペックでした。
そして、2007年に2代目が登場し、2008年には初のクリーンディーゼルダーボエンジンを搭載した「20GT」が登場。
2リッター直列4気筒DOHCコモンレールディーゼルターボは最高出力173馬力を発揮し、トランスミッションは6速MTのみ(後に6速ATを追加)と硬派な印象です。
実際にパワフルなエンジンでしたが、1.6トンを超える車重に加え過給圧がかからないとトルクもそれほどでもなく、初代のGTのような豪快なフィーリングには到達していませんでした。
●スバル「レヴォーグ」

スバルは1989年に初代「レガシィ」を発売し、高性能なエンジンとフルタイム4WDを組み合わせたセダン/ステーションワゴンのラインナップを設定して大ヒットを記録。
なかでも「レガシィ ツーリングワゴン 」はスキーブームという背景からとくに人気となり、ステーションワゴンブームをけん引した存在でした。
その後、レガシィ ツーリングワゴンは代を重ねましたが、2014年に国内販売を終了。同年には後継車の初代「レヴォーグ」が発売されました。
そして、2020年10月に外観は初代からキープコンセプトとし、新開発の1.8リッター水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジンを搭載した2代目がデビュー。
先進安全技術も最新の「アイサイトX」を設定するなど、すべてが進化しました。
グレード構成は伝統のスポーツモデル「STIスポーツ」系以外はすべてGTが冠されています。エントリーグレードが「GT」で、アイサイトXを搭載したハイグレードモデルが「GT-H EX」といった具合で、まさにGTのデフレ状態です。
さらにエンジンスペックはSTIスポーツも含め全グレード共通で最高出力177馬力、トランスミッションも全車CVTとされ、差別化はおこなわれていません。
実は初代レヴォーグも全グレードがGTの名を冠しており、全車パワフルな1.6リッターと2リッターターボエンジンを搭載するなど、レヴォーグはすべてがスポーティで、レガシィから受け継いだGTを名乗るのに相応しいモデルということなのかもしれません。
※ ※ ※
前述にあるとおり、かつて日産は直列6気筒エンジンがGTの条件だったといわれ、トヨタはDOHCエンジンがGTグレードの必須条件でした。
後に日産は直列4気筒エンジン車でもGTを冠しましたが、現在スカイライン以外で使われていません。
また、トヨタも1980年代の終わり頃からDOHCエンジンの拡充を進めたことから、あくまでも高スペックなモデルにGTの名を与え、現在は「86」以外で使われていません。
スカイラインも86も伝統を引き継いだかたちでGTが使われていると思われますが、実は両社にとってGTグレードは昔以上に特別なものなったといえます。
Writer: くるまのニュース編集部
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