なぜ発生? ガソリンと灯油の混合トラブル! クルマへの影響はどれほどなのか
クルマの燃料として用いられるガソリンに灯油が混合するというトラブルが発生しているといいます。混合した燃料を入れてしまった場合、どうような影響があるのでしょうか。
灯油が混同されたガソリンを使うとどうなる?
ガソリンと灯油は、それぞれ同じ原油から作られるものでも特性は異なるため、混ざり合った状態で使用してしまうと非常に危険といわれています。
もし、クルマに混合した燃料を入れてしまった場合、どうような影響があるのでしょうか。
ガソリンと灯油は原油から加熱炉で熱され、石油蒸気を沸点の低いものから種類を分けています。沸点が30度から180度がガソリン、170度から250度は灯油、そのほか240度から250度は軽油、残ったものが重油と分けられます。
ガソリンは主にクルマの燃料に使用されており、色は灯油と同様に無色透明ですが、取り扱いに危険性を伴いうことから、見分けがつくようオレンジ色に着色されています。
一方の灯油は、一般的に石油ストーブなど主に暖房器具に使用されており、色は無色透明です。
ガソリンと灯油の主な違いとしては、引火点が挙げられます。灯油は37度から65度とされ、比較的安全性があるためポリタンクに入れて持ち運びすることができます。
しかし、ガソリンの引火点はマイナス40度以下とされ、灯油と違って揮発性が高く危険性が高いとされています。
ガソリンは灯油に比べ扱いに十分な注意が必要となりますが、それでもガソリンと灯油が混ざって販売されてしまうといった事故は発生しています。
実際に2018年12月上旬には、三重県のニュー津給油所で製品荷降ろしの際に灯油タンクにガソリンを誤って注油してしまった事故が発生。
当時、店員が気づいたため即時灯油の販売を停止し、当該灯油の回収と購入者の特定を進める対応が取られました。
立ち入り検査を実施した経済産業省中部経済産業局は、「ガソリンが混入した[k1]灯油を石油ストーブなどで使用した場合、揮発性の高いガソリンにより、タンク内の圧力が高まり、燃料があふれ出し危険のため絶対に使用しないで下さい」と、注意を呼びかけています。
このように、ガソリンと灯油が混合していることに気づかず、そのまま使用してしまうと思わぬ大事故が発生してしまう可能性があります。
では、灯油が混入したガソリンをクルマに用いた場合にはどういった影響があるのでしょうか。
ガソリンと灯油が混合してしまった際のクルマの影響について、石油協会の担当者は以下のように話します。
「ガソリンと灯油のコンタミネーション(混入)は非常に危険性が高く、最悪エンジンの故障につながる可能性があります。
万が一混ざってしまった燃料を入れて始動してしまった場合は、混入した割合や量の多少にかかわらずエンジンの清掃が必要となります。
そういった場合の清掃費用などはガソリンスタンドや石油の元売会社などが賠償することになります」
また、実際の症状や具体的な不具合について、自動車整備士は以下のように話します。
「ガソリンに灯油が混ざってしまうと、エンジンがかかりにくくなったり、排気ガスの臭いが著しく変わったり、突然ノッキングしてしまう可能性があります。
また、クルマの燃料についてはコンピューターで必要な燃料を調整するので、コンピューターに悪影響を与える可能性もあります。
混ざってしまった燃料を給油してしまった場合は、給油口からイレクターパイプ、燃料タンク、そしてエンジンなどを洗浄する必要があるので、それなりの金額が発生してしまいます」
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