2500km先のクルマを運転! ソニーとドコモが東京・グアム間で5G活用した遠距離操作の実証実験に成功
ソニーとNTTドコモは、グアムにある車両を2500km離れた東京から遠隔操作する実証実験に成功しました。5Gが活用されたといいますが、どんな実証実験だったのでしょうか。
2500kmは稚内市から那覇市までの直線距離に相当
ソニーとNTTドコモは、グアム島にある車両「SC-1」を、5G(第5世代移動通信システム)を活用して2500km離れた東京から運転する実証実験に成功したと発表しました。具体的にどのようにして、超遠隔操作が実現したのでしょうか。
実証実験に用いられたSC-1は、ボディサイズが全長3140mm×全幅1310mm×全高1880mm。
ソニーが開発したエンタテインメント車両で、車両前後左右に人の視覚能力を超えるイメージセンサーを搭載しています。
360度すべての方向にフォーカスが合わされた映像で周囲の環境を把握できることに加え、搭載したイメージセンサーの超高感度な特性と、内部に設置された高解像度ディスプレイにより、乗員が夜間でもヘッドライトなしに視認することが可能です。
イメージセンサーで周囲を捉えていることから窓が不要となり、窓の代わりに高精細ディスプレイが配され、車外に向けて映像を映し出すこともできる仕様になっています。
最高速度は19km/hで、乗車定員は3名です。
今回の実験では、5Gの低遅延、大容量、高速という特長を活かし、グアムにある車両の周囲の映像を約2500km離れた東京にあるソニーの開発拠点にリアルタイムで伝送して操作しました。
この実験はグアムの検証用屋外施設において、乗客を載せた状態でおこなわれているほか、通信にはドコモの子会社であるドコモパシフィック社の5Gが用いられました。
なお、約2500kmという直線距離は、日本国内では北海道北部の稚内市から沖縄県の那覇市までの直線距離とほぼ同じです。
自動運転時代の到来により遠隔運転や監視の重要性がより高まっているなか、国境を超えた遠隔運転をおこなうことにより、時差を利用したグローバルなオペレーションが可能となるとソニーは説明しています。
ソニーはSC-1を利用した各種クルージングサービスを国内で展開しており、今後リアリティ・リアルタイム・リモートを追求する「3Rテクノロジー」も活用することで「移動を楽しくする」サービスを拡充していくとしています。
また、ドコモは本実証実験で得られた成果を生かし、エンタテインメント分野での価値創出および働き方改革をはじめとする社会課題解決をめざしていくと説明します。
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高度な自動運転を見据えたソニーの試作車として「ビジョンS」が存在します。
2021年3月28日に日本で初めて一般公開されるこのクルマは、車内外に搭載された合計40個のセンサーを搭載。
2020年12月から欧州で公道テストがおこなわれており、現在は自動運転レベル2+相当に対応し、将来的には自動運転レベル4相当への発展を目指しているといいます。
ソニーは今後もヒトとクルマの新たな楽しみをさまざまな領域へ提供していくとしています。
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