いきなり日本人F1初優勝はあるか? ホンダF1期待の角田選手が語る今シーズンの抱負とは

2021年シーズンの戦績はいったいどうなる?

 最新マシンの感触については「昨年のマシンではアブダビで走っただけなので、コースや風の影響など(を踏まえての)、変化は分からない。

(ただし)パワーステアリングは、タイヤグリップやダウンフォースが伝わりやすく、イタリア・イモラサーキットでのシェイクダウンの時から、パワーステアリングの変化は(感触が伝わりやすい方向で)ポジティブになりました。

 また、(2021シーズンの)レギュレーションにより、リアのダウンフォースが本来減るはずですが、アップデートにより(リアダウンフォース減少分を)カバーされていて、乗りやすい」と分析しました。

角田裕毅選手が操るスクーデリア・アルファタウリのマシン「AT02」(画像:ホンダ)
角田裕毅選手が操るスクーデリア・アルファタウリのマシン「AT02」(画像:ホンダ)

 また、自分の長所について聞かれると「ブレーキングとオーバーテイク(追い越し)」とし、今回のテスト中でもオーバーテイクの場面をしっかりと把握できたようです。

 そのほか、F1に対応するためのトレーニングについては「首と体幹です。F2に比べて(Gが強いため)首への負担が大きく、(2020年に)F1に初めて乗った時は20周ほどで疲れましが、バーレーンでは54周のレースシミュレーションでも体力的に問題はありませんでした」と日々のフィジカルトレーニングの成果もあらわれているようです。

 日常生活についても質問があり「オフは日本の友達とオンラインでシューティングゲームをしてリラックスしています」といいます。

「レースの予選でアタックラップミスしたり、前のマシンの影響でベストラップにならなかったりすると、(気持ちが)熱くなって無線で叫ぶこともありました。

(シューティングゲームでも)相手に負けると熱くなることもあるので、(ゲームが)自分をコントロールできるようなトレーニングになっています」ともいいます。

 開幕戦の目標については「とくにない、ポイントを獲れれば。(自分自身の)すべてのパフォーマンスを出して、恐れずガンガン攻める。そこでミスしても、第2戦で改善するなど、いまの弱点が分かると思う」と攻めの姿勢を強調しました。

 シーズンを通じた流れとしては「ポイントをできるだけ獲る。もちろん表彰台や優勝もしたいが、なにが起こるか分からない。シリーズ序盤から中盤のミスを恐れず、中盤から終盤はミスを改善して、まとめていきたい」と意気込みを語ってくれました。

 2021年のF1シーズンは史上最多の全23戦で争われ、2年ぶりの開催となる日本グランプリは10月10日決勝となります。鈴鹿での角田選手の大活躍をいまから期待したいところです。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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