一度見たら忘れられない!? 個性的なスタイルがクセになるクルマ5選

さまざまなクルマが販売されるなか、見た目が個性的すぎて、お世辞にも「流麗」や「スタイリッシュ」とは呼べないデザインのクルマもあります。ブサイクなのかカッコイイのか判断が難しいですが、超個性的なスタイリングのクルマを集めてみました。

個性的すぎるビジュアルが逆に魅力的!?

 数多くのクルマが登場してくると、なかにはお世辞にも「流麗」や「スタイリッシュ」とは違うベクトルのデザインを採用したモデルも登場します。

 しかし不思議なことに、そういったクセが強いクルマのほうが、記憶に残っていたりするものです。

 そこで今回は、強烈な個性を放つスタイリングを採用したクルマを5台ピックアップして紹介します。

日産「レパードJ.フェリー」
日産「レパードJ.フェリー」

●日産「レパードJ.フェリー」

 バブル期(1980年代後半から1990年代初頭)は、国産メーカーが海外で自社の高級ブランドを展開するのが流行り、日産も「インフィニティ」ブランドを立ち上げ、新たな上級ミドルクラスのセダンの投入が期待されていました。

 そんな期待を背負い、高級パーソナルカーとして一時代を築いた日産「レパード」が1992年に3代目へフルモデルチェンジ。

 新たに上級4ドアサルーンとして生まれ変わり、名前も「レパードJ.フェリー」へと変更されました。

 エンジンは、当時の「シーマ」にも搭載された4.1リッターV型8気筒エンジンと、3リッターV型6気筒エンジンを搭載。

 また、イタリアの名門フェラーリやマセラティでも採用されていたポルトローナ・フラウ社製の本革シートをオプションで用意するなど、パワーユニットも内装も贅沢なモデルでした。

 しかし、全長4880mm×全幅1770mm×全高1390mmのサイズを誇るボディは、曲線を多用しただけでなく、尻下がりのスタイリングを採用。

 日産としてはアメリカならではの高級車を目指したのですが、北米市場ではウケたものの日本では大不評となり、わずか4年で生産終了となってしまいます。

 当時はトランク部分が水平、もしくはリアに向かって上がるスタイルが主流だったなかで、尻下がりのレパードJフェリーは強烈な個性を発揮していました。

●ホンダ「CR-Xデルソル」

 バブル期前夜の1983年に「FFライトウェイトスポーツ」という新ジャンルを生み出したスポーティなハッチバック「バラードスポーツCR-X」。

 当時は「シビック」の姉妹車である「バラード」の派生車種というポジションでしたが、両車よりも先行してデビューし、ファストバッククーペスタイルが若者を中心に大人気となりました。

 実用性よりスポーティなルックスを優先させたハッチバックは、1987年に2代目へとモデルチェンジしたことでさらに人気を高めていきます。

 1980年代の終わりといえばF1で圧倒的な強さを誇るホンダのイメージもあり、1989年に追加されたVTECエンジン搭載車はFFライトウェイトスポーツの代表格として、若者のデートやスポーツ走行にも最適な1台となっていました。

 しかし、ここで思わぬ事態が発生。それが1989年に登場したユーノス(マツダ)「ロードスター」の大ヒットによって誕生した「オープンカー」ブームです。

 これを受けて、CR-Xは1992年には3代目へと進化する際、それまでのスポーツ路線を捨てて「トランストップ」と呼ばれる電動オープントップ機構(手動脱着式もあり)を採用した2シータータルガトップに転向し、名前も「CR-Xデルソル」へと改められてスペシャリティ路線へと変更されました。

 全長4005mm×全幅1695mm×全高1255mmの手軽なホンダ製オープンは、170馬力を誇る1.6リッターVTECエンジン(SiR)を搭載しています。

 オープンカーブームに乗ってCR-Xデルソルも大ヒットするはずでしたが、重いオープントップ機構搭載によってCR-Xシリーズでもっとも大切な軽量化と、ボディ剛性の低下は否めず、スポーツ性能を犠牲にしてしまったことでどっちつかずのキャラクターとなってしまいました。

 いまでこそ電動オープントップはオープンカーの定番となりましたが、当時は手動の幌がメインで、新しいギミックが市場的には受け入れにくかったかもしれません。

 それでも座ったまま電動スイッチひとつでルーフがオープンになる様子は、非常に個性的だったといえます。

●スバル「アルシオーネ」

 スバルブランド唯一のリトラクタブルヘッドライト採用車として、一部では熱狂的なファンがいる2ドアクーペが「アルシオーネ」です。

 1989年に誕生した「レガシィ」以前から4WDを乗用車にも採用してきたスバルですが、このアルシオーネにも1.8リッターターボFF/4WDモデルのほかに、2.7リッター4WDモデルがラインナップされていました。

 1980年代の日本メーカーは、世界一位の市場規模を持つアメリカ市場でいかにシェアを拡大するかに力が注がれていた時代で、スバルもアメリカ市場を睨み、アルシオーネもスポーティなウェッジシェイプ(クサビ形)ボディを採用。

 そのスタイリングは空力性能が追求され、現在でも不思議な近未来感を感じさせるデザインとなっています。

 また、前後の駆動トルク配分を自動制御するフルタイム4WDシステムの「ACT-4」やエアサスペンション、車速感応式パワステなど、新技術も投入されていました。

 しかし全長4510mm×全幅1690mm×全高1335mmの直線的なボディシェイプが当時は奇抜と評され、また高めに設定された新車価格の影響もあり、販売面では苦戦。

 とくに前後のオーバーハングが長く、あまりに直線的なラインはいまでこそ新鮮ですが、当時としては好き嫌いが分かれたといえます。

 それでも当時としては、それまでクロカンを中心としたヘビーデューティ用のイメージが強かった4WDをクーペ(乗用車)に採用したことで、1989年のレガシィのプラットフォームにも影響を与え、のちに美しいスタイリングで登場した「アルシオーネSVX」へとつながる道をもつくりました。

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5件のコメント

  1. レパードと言えばソアラの対抗馬で売れ行きは振るわなかったけど特に初代はL28Eを搭載するなどソアラより素直だった記憶があるな。
    記事にあるJフェリーは特に二代目シーマから開発されたVH41DEが実に良かった。
    僅か100ccで4500の税区分になってしまたが、この100cc分の余裕はTOYOTAの1UZよりも上質に振り分けられ、流石は技術のNISSANと知らしめるユニットだったな。
    まあ最後はY33セドグロに吸収された形だけど売り上げ問わず素晴らしい車だったと思うな。

    • どんな高性能な車でも一般的にカッコ悪けりゃ売れません。車は見た目重視で買う人が圧倒的に多いんです。そもそもJフェリーはアメリカ市場重視で開発された車。ハナっから日本はオマケ。まだ日産が元気で日本仕様を作れた時代だっただけの話。

    • 売れてる車が全てなラーメン行列に集る麻痺舌とは違うんでね、実際に試乗させてもらって気に入ったから買って所有権で所有していた感想なんだけどね。
      以前にもJフェリーを取り上げた記事で同じようなコメントした時に貴殿のように日本市場はオマケみたいな切り返ししてきたトンチキがいたんだけど、何が気に入らねーのか知らんけど好きな人にしたらたまらん車ってそこそこ多いんだよ。トンチキな切り返しした奴は横須賀?でJフェリーが海を渡り外国に嫁ぐ姿を見ていたんだとさw

  2. PSAとFCAの合併会社の名前は「ステランティス」では?
    誤字だとは思いますが

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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