野鳥の速度違反をオービスで捕捉!? 林道に移動式を設置する理由とは
日本全国9割以上に導入されている移動式オービスですが、クルマが通れないような狭い林道にも移動式オービスのような物が存在するといいます。その正体とは、どのようなものなのでしょうか。
移動オービス今や全国ほとんどで運用
2016年に埼玉県警から導入が始まった「移動オービス(可搬式オービス)」は、その後、全国に拡大し、2021年2月現在、全国9割以上の都道府県で導入されています。
そうしたなかで、クルマが通れない狭い林道に移動式オービスが存在しているといいますが、どのような理由があるのでしょうか。
移動式オービスは、生活道路における歩行者との事故を減らすことを目的に導入されたので、制限速度30km/h(ゾーン30)に設定されている住宅街の道路などで使われることも多いのがポイントです。
高速道路や幹線道路に設置される「固定式オービス」は一度設置したら10年から20年以上そのままということも珍しくありませんが、移動式の場合、小さいものでは手持ちカバンに入るほどの大きさとなるため設置場所は自由自在。
使用時は一眼レフのカメラ+三脚くらいのサイズになるため狭い場所でも、少人数でも取締りが可能となります。
固定式のように場所を定めないので、ドライバーに覚えられることなく、取り締まり場所も自在に変えられるのが移動式オービス最大の特徴です。
現在、全国各地で固定式オービスを撤去して移動式オービスでの取り締まりを強化する事例が増えています。
そんななか、林道に移動式オービス(のように見える物体)が存在するといいます。
その外観は、日本でもっとも多い台数が導入されている東京航空計器の「LSM-300」にそっくりです。
設置してある森のなかは、とてもクルマが通れる道幅は存在しません。この白い箱のなかには、確かにカメラが入っています。写真を見るとパソコンにもつながっています。
しかしこの箱は、移動オービスではありませんでした。この白い箱を製作したのは最新のオービスと交通取り締まりポイントをリアルタイムでドライバーにお知らせするアプリ「オービスガイド」を展開する有限会社パソナの大須賀克巳氏です。
どのような理由で林道に移動式オービスのような物を設置したのでしょうか。大須賀氏は次のように説明しています。
「私は趣味で野鳥の撮影をおこなっています。結論からいいますとこちらは移動オービスLSM-300に似せた撮影用のケースです。
なかにはカメラが入っています。三脚にカメラを取り付けた状態で、その上から箱をかぶせています。
人間がカメラを構えて野鳥を撮影しようとしても当然、警戒されて逃げて行ってしまいます。なかなか野生の自然な姿を見せてくれることはありません。
人がいるから駄目なのかなと思い、人がいない状態で三脚にカメラを付けて、鳥が訪れるような森のなかにセットしてみたらどうだろう、と思ってやってみましたが、人がいなくてもカメラがむき出しの状態ではやはり野鳥たちは警戒して近寄ってきませんでした。
それならと、カメラの存在を隠すべく迷彩柄の布をかぶせてみました。しばらくはこの方法でうまく撮影ができるようになりました。
しかし回を重ねると、賢い鳥にそれがカメラだと見破られるようになり、鳥たちは近寄ってこなくなったのです」
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