車の撥水加工でカメラ誤作動の可能性! ガラスコーティングの正しい施工法とは
昨今の新型車には衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進安全機能が搭載されるようになりました。それらの機能はフロントガラス部分のカメラなどによって前方を検知しています。では、フロントガラスに撥水加工などのコーティングをするとどのような影響があるのでしょうか。
安全システムが作動しない可能性もあるガラスコーティング
クルマのフロントガラスの撥水加工などのコーティングは、雨水が粒状になって弾き飛ぶため、ある程度の速度で走行すると視界を良好にしてくれます。
しかし、最近では衝突被害軽減ブレーキなどに代表されるカメラが撥水加工などのコーティングによって誤認してしまうこともあるようです。
雨の日にクルマを運転すると、雨粒により視界が悪くなりがちです。
そこで、フロントガラスなどに撥水コーティングを施すことで、ガラスについた雨が小さな水玉状になり、走行中は風圧がかかることで水滴が吹き飛び、ワイパーを使わなくても視界が良好になります。
ほかにも、撥水コーティングによりフロントガラスを高分子素材などの膜で覆うことで、ワイパーを使うと発生する嫌な音を防止することができたり、冬の気温の低い時期に起こるガラスの凍結を防止してくれます。
一方で、衝突被害軽減ブレーキなどに活用されるカメラやレーダーなどのセンサー類が撥水加工による雨粒量によって誤作動する可能性があるようです。
国土交通省が発表している2017年の「衝突被害軽減ブレーキ」不具合の割合では、340件のうち「勝手に作動」する割合は249件と73%を占めており、そのなかでは悪天候などで前方の障害物を検知できなかったなどのケースもみられています。
実際に、スバルの運転支援システムであるアイサイトの注意書きには、次のように記載されています。
「フロントガラスに撥水加工をしないで下さい。撥水加工を行うと、雨粒が小さな水滴になりガラスの上に残ったり転がって動いたりするため、物体を正しく検出できなくなります。
又、撥水加工が劣化して剥がれてくるとギラツキが発生し、夜間や逆光時の認識に影響をおよぼします(ver.3純正撥水を除く)」
スバルのように、そもそも撥水コーティングを施すことについて注意が促されている場合もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
前述のコーティング専門店スタッフは、次のように説明しています。
「そもそも撥水コーティングでは、メーカーで注意書きがされているように、他メーカーも同様に衝突被害軽減ブレーキでの誤作動が起きないとはいえません。
そのため、店舗でご依頼がある場合は、はじめに事前に確認して頂き、お客さまの判断でおこなってもらうようにしています。
撥水コーティングは、ディーラーでおこなってくれる場合もあり、車種によって方法は異なり、マツダ車の場合ではカメラ部分はコの字のマスキングで覆って加工を施さないようにしています。
それぞれのメーカーや車種によって、機能も異なるので、心配な人は一度ディーラーへ相談してみるのも良いと思います」
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最近のクルマでは、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進安全機能を採用していることが多くなりました。
そのようなクルマに撥水加工などのコーティングをする場合には、事前に問題ないかの確認が重要です。
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