なぜ世界初の自動運転レベル3は100台のみ? ホンダ新型「レジェンド」がリースで少数販売とする訳
ホンダが2021年3月5日に発売した新型「レジェンド」は、世界初の自動運転レベル3を搭載したモデルとして登場しました。しかし、販売される台数はわずか100台のみとなっているのですが、なぜ少数しか販売されないのでしょうか。
100台のみがリース販売されるホンダ新型「レジェンド」
ホンダが世界で初めて自動運転レベル3を実現し、同社のフラッグシップセダン「レジェンド」に搭載して2021年3月5日に発売したことが話題になっています。
新型レジェンドは、自動運転を可能とする「ホンダセンシング エリート」を初採用。
現在ホンダ車で展開されている安全運転支援システム「ホンダセンシング」のなかでも、エリート(精鋭・優れた)な技術を搭載する新システムとして命名されたといいます。
ホンダセンシングは2014年の「オデッセイ」を皮切りに搭載。いまでは新車販売の約95%にまで拡大し、累計240万台のホンダ車に装着されていることになります。
さまざまな先進安全機能を備えるホンダセンシングですが、新型レジェンドに搭載されるエリートは、さらなる安全を実現したシステムとして、日本で展開されることになりました。
すべての人が安心して自由に移動できる社会を目指し、まずはその第一歩として、100台限定生産のリース販売を開始。
ホンダセンシング エリートを搭載した新型レジェンドの価格(消費税込)は1100万円と、通常仕様「ハイブリッド EX」の724万9000円に対して約350万円高い価格となっています。
ホンダは事故ゼロ社会に向けた取り組みとして、自動運転レベル3を搭載した新型レジェンドを登場させたわけですが、せっかくの新技術を搭載した新型モデルが少数しか販売されない理由とは何なのでしょうか。
車両の販売、サービスにおいてホンダがこだわったのは丁寧に商品をお届けすることだと本田技研工業 執行職 日本本部長の寺谷氏はいいます。
「100台に限定した理由は、100人のお客さまにきちんとした丁寧なアフターサービスをおこなうためです。
ホンダセンシング エリートの取り扱いについての丁寧な説明をするという責任があると同時に、クルマを使うなかで、きちんとしたメンテナンスをおこなっていくことが大変重要となっています。
リース販売というのは、いわゆるメンテナンスリースという形で、定期点検や整備を、購入した販売店に確実に入庫してもらい、クルマが万全な状態で使用できるということを目指しています」
これまで現在国内で普及しているモデルに搭載される自動運転技術はレベル2でしたが、レベル2とレベル3の違いは、運転の主体がドライバーなのかクルマ(システム)なのかというところにあります。
レベル2では運転の主体がドライバーにあり、ハンズオフ走行を可能とするモデルも登場していますが、常に前方を注視することが求められています。
一方、レジェンドに搭載されたレベル3では、運転の主体がクルマにあります。一定条件がそろったハンズオフ走行中は前方を常に見ている必要はなくなり、DVDやテレビを視聴してよいとされているのが大きな違いです。
レベル2とレベル3の間には、越えなければいけない高い壁があったとホンダはいいます。
運転の主体の違いが大きなポイントになっており、絶対的に安全なシステムを届けるためには、使う人に正しい知識を持って使用してもらいたいという狙いがあることから、少数販売できめ細やかな対応をおこなう必要があるようです。
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ホンダは、自動運転中は車内のディスプレイ(ナビ画面)でDVDやTVを見ることを推奨しています。自動運転が終了した際に運転の主体がシステムからドライバーに切り替わるのですが、そのときにディスプレイにアラートがでることから、素早く対応できるためとしています。
また、DVDやTVを視聴することは、一般的には「ながら運転」として禁止されており、2019年12月には罰則が強化されました。
そのため新型レジェンドでは、周囲のクルマや交通違反の取り締まりをおこなう警察官に対して自動運転車であることを識別してもらえるよう、自動運転車用のステッカーを貼付する対策も施されています。
ただ100台のキャパしか無いのは勿体無い。大企業、資金力のある企業、個人なら買うと思うので 1~3万台とか売れれば 相当儲かりそう。