働くクルマはカッコイイ! 乗用車として使いたいイケてる商用車5選

商用車は仕事で使うものと思われますが、実用性や使い勝手の良さから、乗用車としても高いポテンシャルを持つモデルがあります。今回は人気の商用車を紹介します。

割り切った装備と性能 その潔さが逆にカッコイイ!

 個人が購入するクルマのほとんどは、いわゆる「乗用車」です。その一方、ビジネス用に必要最低限の装備やシンプルな外装にとどめ、実用性を優先させたのが商用車です。

 しかし近年、その仕事用と無骨なデザインや実用性の高さから、個人用としても人気の「働くクルマ」が多数登場しています。

 そこで、あくまでビジネスユース向けの商用車でありながら、個人用としても使い勝手のいいモデルを5台ピックアップして紹介します。

タフなスタイルが根強い人気のトヨタ「ランドクルーザー70系」
タフなスタイルが根強い人気のトヨタ「ランドクルーザー70系」

●トヨタ「ランドクルーザー70」(復刻版)

 日本でもっとも長く続いている車名はトヨタ「ランドクルーザー」です。現在は豪華な装備が特徴の「200系」が販売されていますが、1980年代という古い基本設計の「70系」がいまも世界中で根強い人気を誇っています。

 その70系最大の魅力は、「地球上で最後に残るクルマ」とまでいわれる圧倒的なタフさです。1984年発売と35年以上も前にデビューしながら一度もフルモデルチェンジをおこなうことなく、今も日本はもとより海外では絶大な人気を誇り、累計販売台数は130万台を超えているほどです。

 2004年に「平成17年排出ガス規制」をクリアできずに国内向けの生産が一旦終了しましたが、2014年に「70」生誕30周年記念として、1年間の期間限定でシェルボディの「バン」とダブルキャブ(4ドア)の「ピックアップ」が復刻。

 この復刻モデルは堅牢かつ耐久性の高いラダーフレーム構造のボディを採用しており、バンは全長4810mm×全幅1870mm×全高1920mm、車両重量2120kg。ピックアップは全長5270mm×全幅1770mm×全高1950mm、車両重量2220kgとフルサイズとなっています。

 さらに排出ガス規制をクリアしつつ巨体を引っ張るために、231馬力の4リッターV型6気筒ガソリンエンジンを搭載。5速MTとパートタイム4WDを組み合わせ、70系に求められる高い走破性を実現しました。

 また、内外装の意匠を現代風にアレンジして安全装備も追加するなど、ユーザーが求める以上の出来映えとなったことから、大人気モデルとなっています。

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●トヨタ「プロボックス/サクシード バン」

 小型商用車の場合、税制などの違いから普通乗用車より維持費が安いといわれています。

 これは普通乗用車の3ナンバーや5ナンバーによる税区分ではなく、小型貨物自動車登録となる4ナンバーが設定され、毎年車検という手間はあるものの年間で約3万円程度税金が安くなる税制措置があるためです。

 そんな背景もあって、ライトバンはビジネスではニーズが高い乗り物でしたが、オシャレとは無縁でした。

 その流れを変えたといわれているのがトヨタ「プロボックス/サクシード」です。

 2002年にそれまで主流だった「カローラ」ベースのライトバンから変わって、初代「ヴィッツ」で使われていたプラットフォームをベースとし、バン専用モデルとしてプロボックスが誕生。

 既存のセダンのリアを延長させただけのようなモデルとは違い、全長は短く全高は高めというスクエアなボディ形状が斬新でした。

 プロボックスはデビュー当初から個人ユースも想定されており、乗用車登録のワゴンも設定。バンよりも厚みのあるリアシートや、プライバシーガラス+電動格納式リモコンドアミラーのセットパッケージなども用意されました。

 ちなみに販売系列の違いから誕生した「サクシード」はフロントフェイスが異なり、リアハッチの形状も専用とされたことから、プロボックスより200mm長いラゲッジスペースを確保。最大積載量も450kg(プロボックスは400kg)で、位置付け的には上級モデルとなっています。

 現在も販売されているプロボックスですが、2002年のデビューから2014年までは初代ヴィッツベースの前期型、2014年の途中から3代目ヴィッツや11代目カローラでも使用されているプラットフォームへと切り替わった後期型となっており、フロントフェイスのデザインも一新。

 そんなプロボックスは、意外にもカスタムのベース車両としての人気も高いのです。

 なかでも前期型ワゴンは全長4195mm×全幅1695mm×全高1515mmという使い勝手のよいコンパクトボディに、105馬力の1.5リッターエンジンを搭載したモデルが存在。

 初代ヴィッツベースということと、5速MTが設定されていたこともあり、ヴィッツ用に開発されたチューニングパーツを流用することでジムカーナやワンメイクレースでも活躍するベース車両として、バンとは思えない独自の人気を獲得しました。

 商用車らしく実用性の高さは折り紙付き。それでいて扱いやすいサイズのコンパクトワゴンの現行モデルでは1.3リッター&1.5リッターガソリンエンジン搭載モデルだけでなく、1.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドモデルもラインナップされています。

●三菱「トライトン」

 かつての日本は「ワゴン=バン」だったり、「ピックアップ=トラック」のイメージが強く、とくにピックアップは乗用としては敬遠されがちでした。最近ではさまざまなアクティビティの道具を運べるとあって、ピックアップにも根強いファンはいますが、雨の多い日本ではイマイチ市民権を獲得できていません。

 そんななか、国産メーカーのモデルながら海外で大人気のピックアップがあります。それが三菱「トライトン」です。

 2005年のデビュー時からタイで生産され、今も世界中に輸出されているトライトンですが、最新型がとくにカッコイイと評判になっています。

 初代トライトンは新開発のラダーフレームを採用し、シングルキャブ(2ドア)、ダブルキャブ(4ドア)、クラブキャブ(前席の後ろにスペースがあるモデル)をラインナップ。

 パワーユニットに3.5リッターV型6気筒ガソリンエンジンと、2.5リッターおよび3.2リッターディーゼルターボエンジンが用意されましたが、日本では2006年に3.5リッターガソリンモデルのみを正規販売。しかし販売面では苦戦し、2011年に初代のみで日本市場から撤退してしまいます。

 日本では売れなかったトライトンでしたが、注目したいのはその中身です。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアは楕円リーフスプリング(一部は5リンク式コイルスプリング)を採用。

 クロカンの王者といわれた三菱「パジェロ」に搭載された「スーパーセレクト4WD」を採用し、高い悪路走破性を誇ります。

 2014年にフルモデルチェンジした2代目をさらに改良して2018年に登場した現行型は、安全装備や快適装備も充実させた「スポーツ・ユーティリティ・トラック(SUT)」へと進化。

 現在の三菱車らしい「ダイナミックシールド」を取り入れたフロントマスクとなり、商用とは呼べないほどスタイリッシュになっています。

 スタイリッシュなデザインとパワフルなエンジン、優れた4WD機構を持つピックアップとして、ぜひとも日本に再度導入してほしい1台です。

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