レクサス初EV「UX300e」通常販売スタート! ガソリン/ハイブリッドとは異なる魅力はどんな部分?
レクサス初の市販EVとなる「UX300e」が2021年2月より通常販売を開始しました。ガソリン車/ハイブリッド車と異なる部分とは、どのようなところなのでしょうか。
レクサス初EV「UX300e」通常販売を開始!
2020年10月22日にレクサス初のEV市販モデルとして発売された「UX300e」。当初は135台の限定販売でしたが、2021年2月より通常販売を開始しました。
従来のUXには、ガソリン車/ハイブリッド車が設定されていますが、EV仕様ではどのような違いがあるのでしょうか。
遡る事16年前となる2005年、レクサスの初代「RX」に「RX400h」と呼ばれるモデルが追加設定されました。
モデルに冠される「h」はハイブリッドを意味しますが、これまでのモデルと違うのは「ハイブリッド=省燃費/エコ」だけでなくパフォーマンスにも活用できることをアピールしたモデルであることです。
3.3リッターV型6気筒+フロントモーター+リアモーターを統合制御する電動AWDはシステム出力272馬力を発揮。その実力を試すべく、その年のニュルブルクリンク24時間に参戦もおこなっています。
このRX400hを皮切りに、レクサスはハイブリッドモデルを積極的に展開。現在、クロカン四駆の「LX」や「GX(海外専用車)」以外のすべてのモデルにハイブリッドを設定しています。
今後の目標は2025年までに全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリン車を上回ることです。もちろんその先のPHV/EVの期待も高まっています。
そのレクサスの電動化ビジョン「Lexus Electrified」第1弾となるクロスオーバーが、今回紹介するレクサス初のピュアEV「UX300e」です。
実は日本では2020年にヒッソリと発売がスタート(2020年は限定135台)していましたが、2021年2月から通常販売となります。つまり、ここからが“本当”のスタートというわけです。
エクステリアは右側に追加された給電ポート(運転席側は普通充電、助手席側は急速充電)と、専用デザインのアルミホイール、そしてリアドア下の「ELECTRIC」とリアの「UX300e」のエンブレムのみと、ガソリン車やハイブリッド車との見た目の違いは間違い探しレベルです。
ただ、これは「EV=特別なモデル」というわけではなく、「パワートレインの選択肢がひとつ増えたに過ぎない」というコーポレートトヨタの考え方だと解釈しています。
インテリアも同様で、走行可能距離や回生ブレーキ力インジケーターが見やすく表示される専用メーターや電子シフト化(LC用を流用?)でスッキリさせたセンターコンソール周りが異なる程度です。
実際に座ると床下へのバッテリー搭載の影響からガソリン車/ハイブリッド車に対してフロアが若干高めですが、フロントシートはシートレールの工夫などから足元スペースへの影響はほぼなしですが、リアシートはヒールポイントが高めでフロントシート下に足を入れるスペースがないなど、若干違いも存在。
ただ、居住性やラゲッジ性能(ローデッキ仕様)はガソリン車/ハイブリッド車とほぼ同等と考えていいと思います。
パワートレインはハイブリッド車で培った技術を活用した「FF eAXLE」で、フロントに150kW(203馬力)/300Nmを発揮するモーター、ホイールベースの床下全面にリチウムイオンバッテリーを搭載。
バッテリー容量は日産「リーフ」や「リーフe+」のほぼ中間の54.4kWhで、航続距離は367km(WLTCモード)です。
充電は急速/普通が可能となっていますが、充電ステーションの検索には「1・レクサスオーナーズデスク」、「2・エージェント機能」、「3・レクサスアプリの『充電ステーションリスト』」、「4・レクサスSmartG-Linkの『充電ステーション検索』」と複数の方法が用意されています。
実際に走らせるとEVの「高応答」、「高精度」、「力強さ」は走り始めから即座に体感できます。
0km/L→100km/h加速は7秒台とこのクラスでは俊足な部類ですが、ドーピング的ではなくアクセル操作に合わせて力強さが増していく自然な特性はすでにホンダ「ホンダe」やマツダ「MX-30 EV MODEL」と似ています。
ただ、UX300eはそれに加えて、加速から減速に至るまでの「滑らかさ」の純度が高い所が特徴です。
この辺りは緻密なモーター制御だけでなく、車両ピッチ挙動を制御するAPS(アクセレーションピッチコントロール)や減速時協調制御による加速から減速の繋がりの良さなど、トータルでの動的質感の高さが効いているのでしょう。
また、レクサスの特徴のひとつでもある静粛性の高さはより際立っています。音/振動の一番の発生源(=エンジン)が無くなったことに加えて、床下バッテリーに遮音壁の機能を持たせたことやアコースティックガラスの採用。
ほかのEVでは耳にするインバーター音もほとんど聞こません。ちなみに加速に応じたEVサウンドを補う「ASC(アクティブサウンドコントロール)も用意。
加速度を耳で直感的に感じる意味では効果的ですが、肝心な音色は「耳障りでない掃除機」なので、もう少しワクワクさせて欲しいです。
気になる航続距離については、今回180km(都心の道路2割、高速道路5割、地方の幹線道路3割)走行して残りの航続距離は110kmでした。高速道路が多めでWLTPモードの8割と考えれば電費性能も中々でしょう。
ブレーキはパドルシフトで回生力を4段階に調整可能ですが、どちらかといえばガソリン車に近い自然なフィーリングで1ペダルドライブよりも2ペダルドライブのほうがリズムは取りやすいと感じました。
ただ、仕様なのか個体差なのは解りませんが、停止寸前のような微速域でのブレーキコントロールはかなり慎重に操作してもカックン気味だったのは数少ない気になるところです。
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