なぜトヨタが国家級プロジェクトを実現? 「Woven City」計画始動! 未来都市実現に向けて一歩前進

2021年2月23日に、「Woven City」の地鎮祭が静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本東工場跡地に隣接する旧車両ヤードにておこなわれました。なぜ国家プロジェクトともいえる未来の実証都市を、民間企業のトヨタが主体となって展開していくのでしょうか。

トヨタが考える『幸せの量産』に向けたWoven City計画とは

 ラスベガスで2020年1月おこなわれたCESでの発表から約1年経過した2021年2月23日に、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本(TMEJ)の東工場跡地に隣接する旧車両ヤードにて「Woven City」の地鎮祭がおこなわれました。
 
 Woven Cityは「未来の実証都市」といわれていますが、なぜ自動車メーカーのトヨタが建設をおこなうのでしょうか。

2021年2月23日におこなわれた地鎮祭にて、トヨタの豊田章男社長が鍬を入れた様子。
2021年2月23日におこなわれた地鎮祭にて、トヨタの豊田章男社長が鍬を入れた様子。

 地鎮祭は川勝平太静岡県知事、高村謙二裾野市長など地元関係者を来賓に迎え、トヨタの豊田章男社長、ウーブン・プラネットのジェームス・カフナーCEO、TMEJの宮内一公社長などの関係者が出席し、建設工事の安全を祈願しました。

 これにより、Woven Cityは構想段階から実行段階へステップアップしたことになり、豊田章男社長は次のように延べています。

「自動車業界はコネクティッド、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる技術やサービス、更に人工知能、ヒューマンモビリティ、ロボット、材料技術、そして持続可能なエネルギーなどの未来を追求しています。

 これらを我々は世界の研究所で開発/研究をおこなっていますが、これらを“一つの場所”で“シミュレーションではなくリアル”におこなうことができたら……」。

 そこで選ばれた場所が約70ヘクタールのトヨタ自動車東日本東富士工場跡地でした。

「ここでは53年に渡り、センチュリーやジャパンタクシー、さらにスープラ、マークIIシリーズ、カローラフィールダー/スパシオ、ヨタハチ(スポーツ800)、そしてSC(レクサス)などさまざまなジャンルのクルマが作られてきました。

 まさに日本のモータリゼーションを支えてきた存在です。そのDNAを受け継ぎ、未来へのモビリティのために活用しようと思います」

 また、2020年12月の工場閉鎖式では、豊田章男社長は従業員にビデオメッセージで次のように伝えています。

「Woven Cityは更地の上にできる街ではありません。皆さんが働いた場所、残してくれた歴史の上にできる街です。

 いつも自分のことよりも、仲間のこと、人の気持ちを一番に考える、皆さんが築いてくれた大切なことを、街づくりに関わるみんなで受け継いでいきたいと思います」

※ ※ ※

 これから多様性のあった工場から未来都市へと生まれ変わるわけですが、今後自動車を扱うユーザーにとって、具体的に何がどのように変わっていく可能性があるのでしょう。

 現時点での概要は、自動運転、パーソナルモビリティ、ロボット、人工知能(AI)技術などをはじめとするさまざまな領域の新技術をリアルな場で実証をおこなうと同時に、高齢者、子育て世代の家族、発明家を中心に、初めは360人程度、将来的にはトヨタの従業員を含む2000人以上の住民が暮らし、社会課題の解決に向けた発明がタイムリーに生み出せる環境を目指すと発表されています。

「Woven Cityはイノベーション発信の場所にしていきたいと思っています。

 そのイノベーションは“多様性”から出てきます。これまえでトヨタはバラつきなく物を作り上げる……つまり均一性が強みでしたが、その強みを今後は多様性にフルモデルチェンジさせます。

 例えば、CASEに関しても『クルマだけ作れば解決』ではなく、インフラもセットで考える必要があります。

 つまり、未来づくりは皆でやっていかなければダメです。そこでWoven Cityの一つの機能は“原単位”を作ることだと思っています。

 そのような共通プラットフォームを作ることで発展性も期待できるはずです。加えてSDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラル、さらなるデジタル化などもやっていきますが、トヨタとしては自動車を中心のプラットフォーム作りを考えていきます」(豊田章男社長)

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1件のコメント

  1. 前身は1967年設立の関東自動車工業の東富士工場ですね、
    ヨタハチに始まり、他には確かAE86レビン/トレノやコロナエクシヴ、コンフォート、オリジン、アイシス、ラクティスそしてポルテ/スペイドなども生産担当していましたよ。

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