「こりゃ素晴らしい!」 新型SUV「キャシュカイ」に初採用! 新e-POWERが日産を救うのか

そもそもe-POWERってどんなシステム? 加速する電動化で日産安泰か?

 さて、日産のe-POWERというシステム、相当のクルマ通でも理解されていないようなので、改めて紹介してみたい。

 e-POWERの本質は「シリーズハイブリッド」である。どんなシステムか。

 基本となるのが電気自動車です。車軸を駆動するのはモーター。したがって大量の電池を搭載することで「リーフ」のような電気自動車になります。

 ただ電気自動車を作ろうとすると大量の電池を搭載しなければならず高価になってしまう。加えて電池を使い切ったら充電してやらないと走れなくなる。

 そこで考えたのが、電池をすべて降ろし、その代わりにエンジン駆動の発電機を載せてやるという方法。

 これだとガソリンさえ補給してやれば、普通のクルマと同じように運転出来ます。したがって前述のキックスだと、82馬力エンジンで発電した電力を使って走るワケです。

 実際は82馬力で発電機を稼働させると、発電効率95%だとすればモーターに伝達出来る実出力は78馬力程度になる。

 したがってアクセル全開にして走ったら、キックスは78馬力エンジン積んだクルマと同じになります。

 日産はここに小さい容量の電池を加えた。搭載されている電池だけで走らせようとしたら、航続距離3km程度。

 最高出力も50馬力程度。電池残量がある状況ならエンジンで発電した82馬力に、電池からの50馬力+αを上乗せ出来るため約132馬力のモーターをフルに稼働させられる。

 使った電力はアクセルを戻したらエンジン発電機から充電します。もちろんブレーキを掛けたら回生だって出来るし、発進時は搭載している電池からパワーをもらうことも可能。

 このあたり、80馬力エンジン+電池出力40馬力程度(システム出力116馬力)となるトヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」のTHS IIとまったく同じだと考えればよい。

1.5リッター+VCターボを組み合わせたe-POWERは、どのような走りを実現? 日本市場での投入が期待される!
1.5リッター+VCターボを組み合わせたe-POWERは、どのような走りを実現? 日本市場での投入が期待される!

 いずれにしろ新型キャシュカイに搭載される1.5リッター+VCターボを組み合わせた第2世代のe-POWERって素晴らしい。日本デビューは次期型「エクストレイル」です。

 これで日産はコンパクトカー「ノート」サイズのクルマから、車重1600kg級のミニバン「セレナ」やエクストレイルくらいまでのクルマをe-POWERでカバー出来る。

 同時進行で電気自動車の開発もすすめており、狙い通りに行けば2030年から厳しくなる電動化縛りにキッチリ対応していけると思う。

【画像】超イケメン!? 初公開された新型キャシュカイを見る(33枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー