見た目だけじゃない! ホンダ新型「ヴェゼル」は中身も超進化 「早く乗ってほしい」訳は
「やれることは全て盛り込んだ」新型ヴェゼルの走りの実力は?
メカニズムですが、今回は概要のみの発表でスペックなどは正式発売時に明らかにされるとのことですが、筆者の実車チェックと開発責任者からのヒントをもとに紹介していきたいと思います。
パワートレインは2種類です。ガソリン車(1.5リッター+CVT)は廉価版のみ設定で価格訴求や法人需要のためという位置づけ。メインとなるのは1.5リッター+2モーターのハイブリッド「e:HEV」です。
このユニットは大きく分けるとコンパクト設計のフィット用と高出力仕様の「インサイト」用がありますが、ボンネットを開けて見ると各アイテムのレイアウトなどはフィット用と瓜二つです。
開発責任者の岡部宏二郎氏は初代の開発だけでなく改良も担当していた「Mr.ヴェゼル」という方。
岡部氏の「初代の1モーターハインブリッド(i-DCD)は、最後まで力強さと滑らかさに課題が残っていたので、その辺りはe:HEVで解消されています」という言葉を信じると、フィットよりも車両重量の重さをカバーするべく出力アップがおこなわれているはずです。
フットワーク系は「センタータンクレイアウト採用」以外は未公表ですが、下回りを覗いてみたときのトーションビームのリアサス回りの形状から推測すると、初代のアップデート版と考えていいでしょう。
ちなみに初代は「フィットベース」といわれていますが、実はシャシ周りはひとクラス上の「シビック(8代目の欧州仕様)」のアイテムを水平展開するなど独自スペックだったことはあまり知られていません。
タイヤは、今回の展示車には225/50R18の「ミシュラン・プライマシー4」が奢られています。ここ最近のホンダ車はマイナーチェンジでミシュランを履くケースは多いですが、デビュー時からの採用は珍しいです。
岡部氏は「初代は乗り心地で課題を残していたのは事実です。また、ハンドリングに関しても途中で追加した『ツーリング』で大きく手を入れましたが、やり切れていないこともいくつかあったのも事実です。
新型はそんな反省も含めてやれることは全て盛り込んでいます。ハンドリングはノーマルでRS/ツーリングはもちろんモデューロXをも超えるレベル、乗り心地は初代から大きくレベルアップさせています。
さらに4WDにも力を入れていますので、とにかく早く乗っていただきたいです」と語っています。
前述のとおり岡部氏は初代の良い所/悪い所も全て知る「Mr.ヴェゼル」といってもいいエンジニアですから、彼がそこまでいうなら期待しておきましょう。
安全支援系のデバイスは初代と同じく「HONDA SENSING」ですが、システムは最新仕様へとアップデート。
機能追加(後方誤発進抑制機能/近距離衝突軽減ブレーキ/オートハイビーム)や機能向上(衝突軽減ブレーキ/路外逸脱抑制機能、標識認識機能/渋滞追従機能付ACC、車線維持支援システム)などがおこなわれています。
一般的に成功したモデルの次のモデルは熟成方向になるケースが多いですが、新型ヴェゼルはある意味「正常進化」、ある意味「刷新」に感じました。
ネットでの評価は賛否両論のようですが、実車を見ると印象は変わると思っています。なぜなら、実車を見て・触れた自分がそうでしたから。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
私はポルシェとボルボを思い浮かべたな、安定感のあるデザインで良いと思うな。