昔の日産車はキレッキレだった? アグレッシブなデザインの日産車5選

一代限りだった異色のスカイラインとは!?

●2代目ジュニア

働くクルマとは思えないモダンなデザインだった「ジュニア」
働くクルマとは思えないモダンなデザインだった「ジュニア」

 日産による小型トラック製造は80年もの歴史があり、現在は海外向けにピックアップトラックを展開していますが、歴代モデルなかでもユニークなデザインだったのが、1970年に登場した3代目「ジュニア」です。

 ジュニアは1956年に初代が登場し、ミドルサイズのピックアップトラックに位置づけられていました。

 そして3代目の外観でもっとも特徴的なのが、縦目4灯ヘッドライトを採用したフロントフェイスで、「タテグロ」の愛称で呼ばれる3代目「グロリア」を彷彿とさせるデザインです。

 また、ヘッドライトからフロントウインドウまでつながるフロントフェンダーのラインと、フロントグリルの独特な形状と相まって、一見すると高級サルーンのようなイメージです。

 ジュニアは1983年に生産を終了し、後継車はありませんでした。今では現存数も少ないクルマですが、テレビドラマ「北の国から」の主人公、黒板五郎の愛車として登場したことがあるので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。

 なお、イランの自動車メーカーであるサイパでは、現在も「Z24ピックアップ」の名で3代目ジュニアのライセンス生産を続けており、じつに50年も生き残ったことになります。

●6代目スカイライン ハッチバック

シリーズでも異色の存在だった「スカイライン ハッチバック」
シリーズでも異色の存在だった「スカイライン ハッチバック」

 前述のとおり、スカイラインには7代目までワゴンがラインナップされていましたが、6代目ではバンのみでワゴンは設定されませんでした。

 そのかわりにスカイラインとしては初の5ドアハッチバックが存在し、かなり異色なモデルとして話題となります。

 1981年に登場した6代目では、1973年に消滅したスカイラインGT-R以来となるDOHCエンジン「FJ20E型」を搭載した「RS」シリーズが有名ですが、5ドアハッチバックはRS以外のモデルにラインナップされていました。

 リアシート部分までのキャビンは4ドアセダンとドアも共通でしたが、トランク部分はルーフエンドからテールエンドに向かってなだらかに傾斜するハッチバックに置き換えられています。

 しかし、全体のフォルムはバンと比べても違和感があり、ユニークではあるもののスタイリッシュとは評されず、ワゴン並の優れたユーティリティを誇りましたが販売は低迷してしまいました。

 当時、欧州では人気だった5ドアハッチバックですが、日本では販売的に成功した例はほとんど無く、スカイラインでも同様な結果に終わったということです。

 そして、1985年に7代目が登場すると、オーソドックスなワゴンに戻され、この代をもってスカイラインのワゴンは消滅。1996年にワゴン専用モデルとしてデビューした「ステージア」が、実質的な後継車です。

※ ※ ※

 国産メーカーでデザインコンセプトを統一する試みは過去にもあり、有名なところでは三菱の「ブーレイ顔」や、スバルの「ザパティナス顔」が挙げられます。

 どちらもチーフデザイナーの意向を反映したかたちですが、後に衰退してしまいました。

 車格が変わっても同じ顔なのは「金太郎飴」と揶揄されることもあり、なかなか難しいところですが、現在は比較的受け入れられているのではないでしょうか。

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