後席はないが後席ドアはある電動SUV

　三菱は、2021年2月17日に新型「アウトランダー」を世界初公開しました。アウトランダーは三菱がグローバルに展開するクロスオーバーSUVで、これまでの累計販売台数は260万台にのぼります。販売される地域も日本、北米、欧州のみならずさまざまです。

　そんななか、イギリスには2人乗り仕様となる現行モデルの「アウトランダー」が存在するというのですが、いったいどんなクルマなのでしょうか。

　イギリスで販売される「アウトランダーPHEVコマーシャル」は、外観は日本でもおなじみのPHEVモデル「アウトランダーPHEV」に準ずるものの、2列目シートを取り去ることで広大な荷室スペースを実現した商用仕様の電動SUVです。

　完全にフラットな荷室のサイズは長さ1650mm、幅1000mm、高さ800mmで、荷室容量は1602リッターを誇ります。

　2列目シートはないものの、後席ドアはそのまま残されているのも特徴です。

　商用仕様であっても、内外装のクオリティは乗用仕様と同等に保たれているほか、フロントシートヒーターやステアリングヒーターといった快適装備も装着されているので、寒い日でも快適なドライブを楽しめます。

　搭載されるパワートレインは商用仕様と乗用仕様で共通となる2.4リッターエンジン＋2モーターのPHEVシステムです。

　力強い加速を実現するモーターはフロントとリアに1基ずつ配され、なかでもリアモーターの瞬間的な最大トルクは、3リッター級のガソリンエンジンを凌ぐほどのパワフルさを誇ります。

　また優れた操縦性を発揮するS-AWCも搭載されています。　

　アウトランダーPHEVコマーシャルの価格は2万4699ポンドから2万5500ポンド（日本円換算で約363万円から約375万円）です。

　なお、こうした2シーターの商用モデルはイギリスでは昔から存在し、現行モデルではトヨタ「ランドクルーザー」（日本名：ランドクルーザープラド）などに設定されています。

※ ※ ※

　2021年2月17日に初公開された新型アウトランダーは、まず2021年4月から米国、カナダ、プエルトリコを皮切りに発売されることが発表されていますが、日本市場など他地域での発売時期についてはアナウンスされていません。

　また、三菱は2020年7月27日に欧州向け新規車種の投入凍結を決定したと発表しています。

　日本向けの新型アウトランダーの発表時期も気になるところですが、イギリス向けとなる2人乗りアウトランダーの行く末も気になるところです。