見た目はユルいけど速い! スポーティなのにカワイイ車5選
日本の軽自動車にもかわいくて高性能なモデルがあった!
●スバル「R-2 SS」
1958年にスバルは、初の市販4輪自動車である「スバル360」を発売。庶民でもマイカーを持つことを夢から現実に変えたといわれる、日本の自動車史に残る名車です。このスバル360の後継車として、1969年8月に「R-2」が登場しました。
R-2の外観は、「てんとう虫」の愛称で呼ばれたユニークなスタイルのスバル360と異なり、オーソドックスな2BOXスタイルのデザインを採用。
個性は薄れましたがスバル360よりも広くなった室内によって、居住性は大幅に改善されました。
リアに搭載されたエンジンは360cc空冷2サイクル2気筒をスバル360から引き継ぎ、最高出力は30馬力を発揮。400kg強という軽量な車体には、十分な出力でした。
そして、1970年には36馬力を誇るスポーツバージョンの「R-2 SS」をラインナップ。
R-2 SSの外装はフロントにカナード状のスポイラーと、砲弾型フェンダーミラー、フォグランプが装着され、内装ではスポーツシート、タコメーターが装備されるなど、スポーティに演出されました。
また、R-2 SSよりもエンジンはデチューンされながらスポーティな装備の「スポーティデラックス」も追加されます。
1972年には水冷エンジンを搭載するなど大幅に改良されましたが、よりモダンなデザインの「レックス」にバトンタッチするかたちで、R-2は1973年に生産を終了しました。
●スズキ2代目「アルトワークス」
日本の自動車市場では1980年代にターボエンジンブームとなり、一気に高性能化が加速しました。当初は大型車、中型車にターボエンジンが搭載されましたが、その後、コンパクトカーにもターボ化が波及。
このターボ化の波にいち早く対応したのが三菱で、1983年に軽自動車初のターボエンジンを搭載した「ミニカアミ55」を発売すると、スズキも追従するように1985年に「アルトターボ」を発売しました。
そこから軽自動車の第二次パワー競争が勃発し、1987年には550cc直列3気筒DOHCターボエンジンで最高出力64馬力を絞り出した、スズキ初代「アルトワークス」が頂点に君臨。この64馬力が馬力自主規制の上限となり、現在も継承されています。
1988年にはアルトのフルモデルチェンジとともに、2代目アルトワークスが登場。フロントフェイスはワークス・シリーズのみがかわいさも感じられる丸目2灯となり、スタンダードなアルトと差別化されました。
さらに、1990年のマイナーチェンジでは新たな軽自動車規格に対応するため、全長の拡大と排気量を660ccにアップし、その後も4輪ディスクブレーキ化など改良がおこなわれるなど、さらに走行性能を向上。
ところが、1998年発売の4代目をもってアルトワークスは一旦消滅してしまいました。すでに軽自動車の主力はトールワゴンに移行しており、アルトそのものの販売台数も低迷し、高性能モデルの時代ではなくなったということです。
しかし、2015年12月にアルトワークスが復活。ライバルとなるホンダ新型「N-ONE RS」も登場するなど、軽自動車市場で再び高性能モデルが注目されています。
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昭和の時代では、普通の見た目と裏腹に優れたエンジンや足まわりを搭載したモデルを「羊の皮を被った狼」と呼びました。
近年はそうしたモデルは少なくなってしまい、高性能車は見た目も「狼」です。さりげなく速いというクルマよりも、見るからに速いクルマの方が、ユーザー的にも安心できるのかもしれません。
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