スバル「XV」は雪道も楽しい! AWDとe-BOXERが生み出す安心感の秘密とは

200mmの最低地上高により深い雪でも安心して走れる

 XVのフットワークは、SUVらしいしなやかさとスポーティさを両立。サスペンションのアップデートもあわせておこなわれています。

 従来モデルのe-BOXER搭載車は、バッテリーによる重量増の影響から、クルマの動きはガソリン車に対して重厚かつ穏やかでした。

スバル「XV 2.0e-S アイサイト」
スバル「XV 2.0e-S アイサイト」

 しかし新型モデルはバッテリーの搭載を感じさせない軽快なクルマの動きと従来モデル以上に質の高い乗り心地をともに実現。この辺りは、新型レヴォーグ開発での知見がXVにもフィードバックされているのでしょう。

 さらにXVには200mmの最低地上高という武器があります。深い新雪や轍のある路面だと新型レヴォーグでは躊躇しますが、XVだと躊躇なく入っていけるのです。

 これも雪道における安心性能のひとつですが、そう考えると「新型レヴォーグにクロスオーバー仕様があったら最強」だと考えるのは、筆者(山本シンヤ)だけではないはずです。

 また、XVには悪路走破性を高める「X-MODE」が装着されていますが、今回はお役立ちシーンはありませんでした。逆をいえば、雪道での日常走行ではノーマルモードで事足りるということです。

 ちなみにフラットな圧雪路の広場で少し派手は走りを試してみましたが、新型レヴォーグと車両重量はそれほど変わらないにも関わらず、XVは軽快なクルマの動きと基本的に安定方向のAWDシステム(ACT-4)を搭載しながらも振り回せる自在性を持っていることがわかりました。

「どちらが愉しい?」と聞かれたら、この部分に関してはXVに軍配を上げたいと思います。

 ただ逆をいえば、安定性は新型レヴォーグのほうが高いことも事実で、この辺りはXVのプラットフォームの素性や最低地上高から来る重心の高さ(バッテリー搭載で低くはなっていますが)などが影響しているといえそうです。

 XVの運転支援システムは「アイサイト・ツーリングアシスト」です。新型レヴォーグの「アイサイトX」を体感してしまうと物足りなさを感じてしまいますが、単体で見ると他社のそれよりも圧倒的な信頼性と正確性を持っています。

 すべてが刷新された新型レヴォーグと比べてしまうとXVはバツが悪いかなと想像していましたが、ステアリングを握って一安心。

 XVならではの個性やポイントなどは新型レヴォーグ相手でも決して負けていないことを改めて実感しました。

 最新のXVはまさに「熟成」といった仕上がりで、見た目はもちろん走りも「XVらしさ」がより色濃くなっていると思います。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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1件のコメント

  1. e-BOXERならギリギリにインプレッサまでだよね、て言うかCVTの悪戯の火消しと言うか?確かに押し出し感覚はCVTより増してる程度で燃費に貢献してないしね。

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