かつては絶大な人気を誇った珠玉の「テンロク」たち! 1.6リッターFFスポーツ車5選
自然吸気エンジンで復活を果たしたダイハツのホットモデルとは
●ダイハツ「シャレード デ・トマソ」
1977年に発売されたダイハツ初代「シャレード」は、量産車世界初の1リッター直列3気筒SOHCエンジンを搭載するなど、エポックメイキングなコンパクトカーです。
当時はオイルショックという時代背景もあり、軽自動車に近い車両価格や、低燃費なエンジンを搭載したことで経済性に優れ、大ヒットを記録
その後、1984年には2代目シャレードをベースに、イタリアのチューナーであるデ・トマソが監修した高性能モデル「シャレード デ・トマソターボ」が発売されました。
3代目ではデ・トマソがラインナップされませんでしたが、1993年に発売された4代目で復活し、これまで1リッターターボだったエンジンは、新開発の1.6リッター直列4気筒自然吸気へとスイッチ。
最高出力は125馬力と、ライバル車と比べ決してハイパワーではありませんでしたが、小型かつ900kg(5速MT車)という軽量な車体に、専用チューニングされたストラット式4輪独立懸架や4輪ディスクブレーキ、車体剛性のアップなどが施されたことで、高い運動性能を発揮。
さらに、専用のエアロパーツや、ピレリタイヤ、ナルディ製ステアリング、レカロ製スポーツシートなど、デ・トマソの流儀に則った逸品が装備されています。
●日産3代目「パルサー ミラノX1ツインカム」
日産は1978年に、FFコンパクトカー「チェリーF-II」の後継車として初代「パルサー」を発売。欧州市場を強く意識したグローバルカーとしての使命を担っていました。
2代目では流行を取り入れたターボエンジンを搭載しましたが、1986年に登場したセダンとハッチバックの3代目では、トップグレードに新開発の1.6リッター直列4気筒自然吸気エンジン「CA16DE型」を搭載した「パルサー ミラノX1ツインカム」を設定。
最高出力は120馬力を発揮し、欧州製コンパクトカーを思わせる直線基調のスタイリッシュなボディと相まって、ヒット作になりました。
また、3代目パルサーはモータースポーツへの参戦も積極的におこなったことで、スポーティなイメージが定着。
次世代の4代目ではWRCに参戦したターボエンジン+フルタイム4WDの「GTI-R」が登場し、さらに5代目では高回転・高性能な1.6リッター自然吸気エンジンに回帰した「VZ-R」がラインナップされるなど、スポーツマインドあふれるモデルでした。
※ ※ ※
冒頭にあるとおり、1.6リッターエンジンはモータースポーツと密接に関係していたことから、さまざまな車種に搭載され高性能化が図られました。
しかし、各メーカーともモータースポーツへの参戦は縮小され、市販車ベースのカテゴリーも少なくなったことから、日本で1.6リッターエンジンはもはや絶滅寸前となっています。
国内メーカーで1.6リッターエンジンを搭載しているのはトヨタとスバル、日産だけで、高性能車はトヨタ「GRヤリス」のみです。
今後も、モータースポーツへの参戦拡大は厳しい状況のため、1.6リッターエンジンの復活は期待できそうにありません。
CR-X忘れちゃまずいでしょう。