相次ぐ新型SUVにホンダ「ヴェゼル」も参戦! 元王者トヨタ「C-HR」の現状はいかに

かつて、SUVジャンルで販売台数No.1にも輝いたトヨタ「C-HR」ですが、最近は後発のライバル達に押され気味です。現在、C-HRを求めるユーザーはどのような部分に魅力を感じているのでしょうか。

元SUV王者の「C-HR」を求めるユーザーの本音

 近年の自動車市場ではSUVブームが起きていますが、なかでもここ数年で大きくラインナップを増やしているのが、コンパクトSUVと呼ばれるジャンルです。
 
 なかでも、トヨタ「C-HR」は昨今のコンパクトSUVをけん引してきた1台ですが、後発でさまざまなライバルが登場した現在では、どのようなユーザーに好まれているのでしょうか。

2019年のマイナーチェンジで加わったトヨタ「C-HR GR SPORT」(用品装着モデル)
2019年のマイナーチェンジで加わったトヨタ「C-HR GR SPORT」(用品装着モデル)

 コンパクトSUVは、SUVならではのルックスと使い勝手を持ちながら扱いやすいサイズで取り回しやすく、若い世代から高齢層まで幅広い人気を誇っています。

 国産車だけでなく輸入車でも、あらゆるメーカーから新型のコンパクトSUVが登場しており、その競争は激しさを増しています。

 昨今のコンパクトSUVは、2010年に日産「ジューク」が登場、その後にホンダ「ヴェゼル」(2013年)やマツダ「CX-3」(2015年)、そして前述のC-HRが第一次ブームのラインナップといえます。

 現行モデルとなる初代C-HRは、2014年のパリモーターショーでコンセプトカーを公開・その後、順々に世界中のモーターショーでコンセプトカーがお披露目されておよそ2年の歳月をかけ2016年12月に発売されました。

 日本自動車販売協会連合会が発表する登録車販売台数ランキングでは、発売から1か月後の2017年1月に4位(9144台)となり、絶好調のスタートダッシュを切りました。

 その後も、ライバルのヴェゼルと熾烈な販売競争を繰り広げ、2017年と2018年にはSUVジャンルでトップの販売を記録。

 しかし、2019年にヴェゼルにわずか209台差でSUVトップの座を渡して以来、販売が伸び悩みます。

 とくに、最近では第二次コンパクトSUVブームともいえる状況となり、2018年にスズキ「ジムニーシエラ」、レクサス「UX」。2019年にはダイハツ「ロッキー」とそのOEM車としてトヨタ「ライズ」、マツダ「CX-30」が登場。

 2020年には日産「キックス」やトヨタ「ヤリスクロス」、マツダ「MX-30」といった、他社だけでなく同じトヨタ内(レクサス含む)からライバルが投入されています。

 では、現在のC-HRの売れ行きはどうなっているのでしょうか。また、今C-HRを選ぶユーザーは何が決めてとなっているのでしょうか。

 首都圏のトヨタ販売店スタッフは次のように話します。

「現在のC-HRは、納車が1か月から2か月程度で、コンスタントに売れています。

 しかし、かつてC-HRがヒットしていた頃と比べて同じようなサイズのSUVは増えていますから、コンパクトさという点ではあまり新鮮さはないでしょう。

 現在、C-HRを購入されるお客さまは、デザインと走りの良さを好評いただいています。

 このコンパクトSUVというジャンルは、デザインがかなり重要なポイントとなるうえ、販売台数が多いので『人と被りたくない』という需要もあります。

 C-HRはかなり奇抜な見た目をしているので、その点では気に入ってくださる方がいます。

 また、走りの面ではほかのコンパクトSUVよりも走行性能に重点をおいているので、そこはかなりの違いがあります。

 先日も実際に、『ライズと迷っていたが、試乗の感触でC-HRに決めた』というお客さまもいらっしゃいました。

 もちろん、以前ほどの勢いはなくなりましたが、決して『時代遅れ』のモデルではありません」

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