日本で「第2のテスラ」は誕生する? ソニー「ビジョンS」は市販化されるのか
2020年にソニーが発表した電気自動車(EV)が「VISION-S(ビジョンS)」だ。発表から1年経った2021年1月、ソニーはこのビジョンSの公道走行テストをおこなっていることを発表した。ビジョンSとはどんなクルマなのか。市販される予定はあるのか。そして、ソニーが第2のテスラになる可能性はあるのだろうか。
オーストリアで公道走行実験をはじめたソニー「ビジョンS」
ソニーは2021年1月、オンラインで開催された「CES2021」において、オーストリア国内でコンセプトEV「VISION-S(ビジョンS)」の公道でのテスト走行を実施したと発表した。
この車両は1年前の「CES2020」でソニーが発表して、大きな注目を浴びたことで知られる。東京・品川にあるソニー本社の敷地内で試乗会が開かれたのが2020年8月のことだ。ソニーはその場で、年度内に公道試乗を実施することを公表し、同時に試作車4台を製作中であることも明らかにした。
ビジョンSとは一体どんなクルマなのか。まずはこの時の試乗を通じて感じたことからお伝えしたい。
この日の試乗会で使用したビジョンSは、CES2020で公開された車両そのもので、北米から運んできたものだった。車両はオーストリアのマグナ・シュタイアによって委託製造され、ソニーが独自にデザインしたボディを架装している。
その開発の目的は、ソニーがモビリティ分野における新たな取り組みを内外に広く知らしめること。そのためにソニーが得意とする車載向けCMOSイメージセンサーやToFセンサーなど各種センサーを計33個搭載し、将来的にはレベル3からレベル4の自動運転も視野に入れて開発されているという。
開発にあたって、ソニーがデザインテーマとしたのが「OVAL(楕円)」だ。スマホでドアロックをON/OFFさせるとボディ全体を取り囲むように光が走るのもその表現のひとつだという。
車内に入ると、ここもまたOVALデザインの下で構成されていた。ダッシュボードにはパノラミックスクリーンと呼ばれる高精細ディスプレーが左右に広がり、各シートにセットアップされた「360 Reality Audio」が、没入感たっぷりの立体的音場を再現する。車内はAV機器メーカーのソニーらしい雰囲気に包まれていた。
ひと通りのデモが終わった後、いよいよ走行となった。走行した敷地は石畳が続いており、プロトタイプが走る条件としては少々酷な状態。
それでもビジョンSはEVらしく、静かにスムーズに走り出した。路面からの音はもちろん伝わってくるものの、それ以外のクルマ本来の音は極めて静かだ。とくに素晴らしいのが高級感あふれる内装の仕上がりで、そのまま市販できるのではないかと感じたほどだ。プロトタイプっぽくギシギシとした音は発生したものの、門外漢であるソニーが企画した第一号モデルとしては上出来だったといえるだろう。
ここまで造り込んだクルマを見せつけられると、ビジョンSの今後の行方が気になってくる。
市販化するのか、しないのか。この話はビジョンSが登場した2020年に開催されたCES2020以来、絶えることなくずっとくすぶり続けていたが、今回の公道試乗が発表されるとこの話は再燃。
折しもアップルが韓国・現代自動車に「アップルカー」製造を依頼したとの噂が世間を賑わした時期とも重なり、ソニーもまた同じような動きを見せても不思議はないというわけだ。
販売網にしろサービス網や補修用性能部品の保有期間の関係があるから基本的に手は出さないだろう。
法的には決まってないが通産省や関係団体の指針では生産終了から10年ぐらいだったはずで、保管すのも馬鹿にならない。
SONYは当然家電だって5~9年ぐらいの取り決めがあるわけで、パーツにしろ人員にしろ販売網、サービス網にしろ準備に金がかかる訳でその予算と儲けを考えると足が出かねない。
まぁ新部品の開発テストベッドや手持ちに保険会社があるから、保険金の算定の基本とかの計算に使う程度だろう。