後続車から「眩しい!」声多いリアフォグ なぜトラブルに発展? 故意に点灯で罰則も

リアフォグランプは本来視界不良の際に使用することが前提ですが、それ以外の際にリアフォグランプを使用してトラブルに発展する事例があるようです。どのような使用方法が罰則の対象となるのでしょうか。

天候不良で活躍も! 故意に使えばトラブルに発展?

 夜間に運転しているとき、前方車両のリアフォグランプの光によって、「眩しくて運転しにくい」という経験をした人は一定数存在し、SNSなどでは「リアフォグが眩しくて迷惑」という声も見受けられます。
  
 本来は、悪天候時に活用するはずのリアフォグランプは、晴天夜間に点けていても違反ではないのでしょうか。

直視すると「眩しい!」。 必要時以外に故意に使用すると罰則の対象になる?(画像は日産「フェアレディZ」のリアフォグランプ)
直視すると「眩しい!」。 必要時以外に故意に使用すると罰則の対象になる?(画像は日産「フェアレディZ」のリアフォグランプ)

 そもそもクルマのフォグランプは、正式名称を「前部霧灯」といいます。その名の通り、濃霧などの視界不良時に自車の視認性を高めるために搭載されており、リアフォグランプは正式名称を「後部霧灯」とし、前部と同様に視界不良時に効果を発揮します。

 道路運送車両法の保安基準ではその設置基準が定められており、「照射光線は、他の交通を妨げないもの」「光源35W以下、大きさ140平方センチメートル以下」「数は2個以下」「灯火は赤色であること」などが決められています。

 テールランプの光源が5W以上30W以下、照明部の大きさが15平方センチメートル以上と定められているのと比べると、それよりもかなり明るい灯火装備です。

 また、取り付け位置については、上縁の高さが地上1000mm以下、下縁の高さが地上250mm以上、ブレーキランプ(制動灯)の照明部から100mm以上離れていることが定められています。

 リアフォグランプは、とくに降雪地方ではその効果は絶大のようで、北海道のトヨタ販売店スタッフは次のように話します。

「降雪時に対向車両はヘッドライトの光もあり視認することができますが、前方車両はなかなか距離感がつかみにくく、衝突事故が絶えません。

 そのため、リアフォグランプは寒冷地仕様車の装備のなかでもトップクラスに外せない装備です」

 しかし、悪天候時に活躍する装備であることはわかったものの、気になるのは晴天夜間での使用です。

 なぜ、下手をすれば後方車両とのトラブルにはなりかねない眩しすぎるリアフォグランプを点灯させるユーザーがいるのでしょうか。

 首都圏の警察署交通課職員は次のように話します。

「実際のトラブル事例をもとに考えると、不必要な場面でリアフォグランプを点灯する人がいるのには、大きくふたつの原因があるといえます。

 ひとつ目は、単純な操作ミスです。リアフォグランプ搭載車を買ったばかりの人が、慣れない操作で誤って点灯させてしまい、気が付かずに走行してしまうのです。

 これは過去にトラブルが発生した例もありましたが、故意ではないことが判明して大ごとにはならない場合がほとんどです。

 ふたつ目は、いやがらせです。例えば、前のクルマが遅くてイライラし、追い抜いた後でわざとリアフォグランプをつけるといったパターンです。

 これは、故意であることが認められた場合は、あおり運転などに適用される『妨害運転罪』とみなされる可能性があります。

 リアフォグランプやハイビームといった灯火類が関係するトラブルは意外と多くあります。

 そのクルマに慣れていない場合はしっかりと操作方法を確認してください。また、故意に運転を妨害する行為は絶対にやめましょう」

※ ※ ※

 晴天夜間でのリアフォグランプ点灯は明確に違反とはいえないものの、「故意に他人の運転を妨害」した場合は、妨害運転罪などの罰則が適用されるようです。

 妨害運転罪として取り締まりを受けた場合は、「違反点数25点」「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」で即免許取り消し、欠格期間は最大5年となります。

 また、違反行為によって著しい交通の危険を生じさせた場合は「違反点数35点」「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」で同じく免許取り消し。さらに欠落期間は最大10年となる可能性があります。

 なお、前出の交通課職員は、「妨害運転罪が適用されるのは、故意にリアフォグランプを点けた側だけではありません。それに腹を立ててあおり運転とみられる行動をとった後続車両も対象となる可能性があります」とも話します。

 リアフォグランプは、本来使用されるべき悪天候時以外では絶対に点灯しないようにしましょう。

 また、前方車両が点灯させていた場合でも、腹を立ててあおり運転などの危険行為をするのは絶対にNGです。

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4件のコメント

  1. >ふたつ目は、いやがらせです。例えば、前のクルマが遅くてイライラし、追い抜いた後でわざとリアフォグランプをつけるといったパターンです。

    例えば、前のクルマが無灯火で、追い抜いた後でわざとリアフォグランプを明滅させて教訓を与える。

  2. 現行nd ロードスター にはバックフォグの
    設定は無いぞ。はやく市ねとか書いてたやついたな。インテグラタイプRの記事で、
    全く訂正しない編集部だわー

    • >スポーツカーの「ロードスター」やOEM車を除く4WD仕様にリアフォグランプを標準装備。

      ロードスターは除くって書いてあるじゃん?

  3. こういうものは教習所でしっかりとその眩しさを体験させるべきだと思う。

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