ホンダ「軽トラ」44年の歴史に幕! 2021年4月に生産終了で既存オーナーへの対応は?

現行モデルの生産終了が発表されていたホンダの軽トラ「アクティ・トラック」ですが、当初のアナウンスより前倒しでモデルライフを終えることがわかりました。44年の歴史に幕を下ろしますが、どのような経緯で生産終了となり、その後の対応はどうなるのでしょうか。

販売店やユーザーからは惜しむ声もあるが「仕方ない」

 日本独自の規格として軽自動車は、新車販売台数の約4割を占めるほどに成長していますが、一方で軽トラックの需要は減少傾向にあります。
 
 そんななか、2021年4月にホンダの軽トラ「アクティ・トラック」が、44年の歴史に幕を下ろします。どのような経緯で生産終了となり、その後の対応はどうなるのでしょうか。

2021年4月に生産終了するホンダ「アクティ・トラック」(写真は特別仕様車 TOWN・スピリットカラースタイル)
2021年4月に生産終了するホンダ「アクティ・トラック」(写真は特別仕様車 TOWN・スピリットカラースタイル)

 アクティ・トラックは、ホンダ発の4輪自動車「T360」の血を引く名車で、1977年の初代モデルから40年以上に渡って製造・販売されてきました。

 軽トラックでは唯一のミッドシップレイアウトを採用しており、一部のファンからは「農道のフェラーリ」や「農道のNSX」などと呼ばれ、愛されてきたモデルです。

 そんなアクティ・トラックですが、2019年末に生産終了がアナウンスされ、当初は2021年6月に現行モデルが終了する予定でした。

 しかし、販売店への取材でその予定が前倒しになることが判明、2021年4月をもって44年のモデルライフを終えるとのことです。

 このようにメーカーが生産・販売を終了している背景には、軽トラック市場の縮小が関係しており、軽トラ市場のピークは1979年から1983年だといいます。

 全国軽自動車協会連合会によれば、ピーク時の年間販売台数は約40万台から43万台でした。

 しかし、昨今では農業規模の縮小による需要の減少を受けて販売台数は減り続けています。

 直近の軽トラ市場は、2018年が18万5689台、2019年が18万2564台、2020年が17万5150台とピーク時と比べて半減しています。

 撤退する理由として、ホンダは「新たに設けられる排出ガス規制をクリアしたり、義務化される衝突被害ブレーキに順次対応する開発費用をかけたりしても収益を望めない」ことを挙げています。

 では、ホンダ4輪の源流ともいえるアクティ・トラックの生産終了への反応や、既存ユーザーの今後の対応などはどのようになっているのでしょうか。

 現行のアクティ・トラックは4代目で、2009年に登場しました。先代となる3代目はセミキャブオーバータイプでしたが、2代目を彷彿とさせるフルキャブオーバータイプとなっています。

 ホイールベースが先代に比べ短縮され、足元の空間を拡大。また、搭載エンジンは先代を踏襲しているものの、改良と軽量化により燃費は向上し、JC08モード燃費で16.2km/Lから18.4km/Lを発揮。全グレードで「平成22年度燃費基準+5%」を達成しています。

 首都圏のホンダの販売店スタッフは、「積んでよし乗ってよし走ってよし、そんな機能性抜群モデルの生産終了には、商業利用ユーザーだけでなく一般ユーザーからも惜しむ声が寄せられています」と話しており、多くのファンがいるクルマであることは間違いありません。

 では、4月の生産終了を目前として、現在の販売状況はどうなっているのでしょうか。前出のホンダ販売店スタッフは次のように話します。

「現在、アクティ・トラックは在庫分のみの販売となっていますが、当店ではMT車のみしか在庫がなく、AT車は既に完売しています。

 また、MT車においても、すでに法人からの注文枠で埋まっており、一般の購入希望の人、数名にはキャンセル待ちをして頂いている状況です」

 モデル末期とはいえど、商業利用の多い軽トラで順番待ちが起こっているといことが、アクティ・トラックの人気の高さを物語っています。

 別の販売店スタッフも「生産終了のアナウンスがあってから一般ユーザーからの問い合わせはやや増えており、『記念に注文しておく』というお客さまもいました」と話しています。

※ ※ ※

 なお、アクティには2018年7月まで商用バンとなる「アクティ・バン」が生産終了となり、後継として「N-VAN」がデビュー済みですが、アクティ・トラックの後継モデルに関するアナウンスはありません。

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1件のコメント

  1. 本田宗一郎先代社長、会社創設者が天国で嘆いている、ホンダが4輪自動車に初めて進出する時に作った車、この考えを次いで欲しかった。
    ホンダは勝たずしてF1撤退、ゆいつのキャブオーバーでない軽トラック、採算のみを追求したらホンダが本田でなくなる。
    私も同じ技術者、静岡人として無念
    軽トラックは2台所有しているアクティとダイハツハイゼットたまに、友人の鈴木キャリー、全て四駆運転してわかるが、室内が静か、ハンドリングがいい、長く所有してわかるが、エンジンが壊れない、それがホンダアクティです。

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