2000万円に達するか!? 人気の「190エボ2」と「M3スポエボ」はどちらが高額取引される?

BMWとメルセデス・ベンツは、常にライバル視されているが、それはレースの世界でも同じだ。1980年代から1990年にかけて、両社の熾烈なバトルが繰り広げられたドイツ・ツーリングカー選手権で、勝利するために作られたモデルはいま、どちらが高額で取引されているのだろうか。

市販モデルの売上に直結するレースとは

 市販車をベースとしたレーシングカーが速さを競うツーリングカーレースは、そのベースとなるクルマが持つ性能が、勝利に直結する。

 そのためレースに力を入れている自動車メーカーは、勝つためのベースモデルをつくり出すということを、かつておこなっていた。レースにエントリーをするカスタマーは、このベースモデルを手に入れた後、規定内でのカスタマイズをおこなってレースに参戦するのだ。

「M3スポエボ」と「190Eエボ2」の2台は、どちらも新車当時から人気が高かった。最近は多くの程度のよい個体が日本から海外へ流出している(C)2020 RM Sotheby's
「M3スポエボ」と「190Eエボ2」の2台は、どちらも新車当時から人気が高かった。最近は多くの程度のよい個体が日本から海外へ流出している(C)2020 RM Sotheby's

 現代ではGT3やGT4、TCRといった規定がメインストリームとなっているが、これらはその発展形といっていい。あらかじめレースに参戦できるようカスタマイズをおこなったクルマを、メーカー自身が販売することで、より手軽にレース参戦ができるようにする、というのがその狙いとなっている。

 ではなぜ、自動車メーカーがレーシングカーを販売するようになったのか。

 そこには熾烈な、勝利に向けた争いがあったことはもちろんだが、レースの勝利が市販車の売上げに影響していたことが大きい。そのことを顕著に表しているのが、今回VAGUEで紹介する2台となる。

 1988年、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)は車両規定を改訂し、エンジンの排気量をそれまでの2.3リッターから2.5リッターに拡大し、ホモロゲーションを得るために必要な販売台数を、5000台から500台へと少なくした。

●1990 メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16エボリューション2」

エアロパーツも含めたボディワークが刷新されているメルセデス・ベンツ「190E 2.5-16エボリューション2」(C)2020 RM Sotheby's
エアロパーツも含めたボディワークが刷新されているメルセデス・ベンツ「190E 2.5-16エボリューション2」(C)2020 RM Sotheby's

 DTMにおいて過激ともいえる勝負をしていたメルセデス・ベンツとBMWは、ベースマシンである「190E2.3-16」と「M3」を、それぞれ改良。エンジンの排気量を2.5リッターとしたモデルを発表する。

 それが「190E 2.5-16エボリューション2」と、BMW「M3スポーツエボリューション」だ。190E 2.5-16エボリューション2は、エアロパーツも含めたボディワークの見直しやブレーキシステムのグレードアップをおこない、2.5リッターエンジンは232psにまで高められた。販売台数は502台とされている。

 一方のM3スポーツエボリューションは、2.3リッターのS14エンジンをベースに、クランクシャフトの変更によって2.5リッター化を実現。最高出力は288psを実現しており、販売台数は601台といわれている。

 上記2台のベースとなった「190E」と「3シリーズ」は、当時の両メーカーの最量販セグメント車両である。レースの勝利が、大きな広告効果を持っていたのである。

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