過激な性能こそ正義だった! 馬力競争が激化した頃のターボ車3選
「打倒日産!」を旗頭に開発されたトヨタのGTカーとは
●トヨタ「スープラ3.0GT」
1978年に発売されたトヨタ「セリカXX」(輸出名:スープラ)は、「セリカ」と主要なコンポーネンツを共有する上位車種としてデビューし、2.6リッター直列6気筒エンジンを搭載することで北米市場を主戦場としたモデルでした。
2代目セリカXXは直線基調のデザインをまとうボディに、「ソアラ」と同じ170馬力(グロス)を発揮する2.8リッター直列6気筒DOHCの5M-GEU型エンジンを搭載して、一気に高性能化を果たします。
しかし、ライバルである日産3代目「フェアレディZ」は3リッターV型6気筒SOHCターボエンジンを搭載し、230馬力(グロス)を誇っていたことから、セリカXXは出力的に劣っていました。
そこで、1986年にセリカXXから輸出名と同じ「スープラ」に車名変更を伴うフルモデルチェンジをおこない、最高出力230馬力(ネット)を発揮する3リッター直列6気筒DOHCターボの7M-GTEU型エンジンを搭載する「スープラ3.0GT」が登場。
スタイリングは直6エンジンを格納するロングノーズかつクサビ型のウェッジシェイプの3ドアクーペで、高性能なGTカーというイメージを前面に押し出します。
大排気量だったことから低速トルクも大きく、市街地でも快適な走行が可能で、オールマイティな高速ランナーとして、国内外で人気となりました。
市販車をベースとしたグループAのツーリングカーレースにも参戦するなど、高性能さをアピールし、スープラは若いファンの憧れの存在へとなりました。
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ターボエンジンは現在二極化しているといえます。ひとつはダウンサイジングターボエンジンで、小排気量エンジンの燃費性能と、ターボエンジンのパワフルさ兼ね備えたエコなエンジンです。
もうひとつは、ターボエンジンの真骨頂ともいえる過激な性能のエンジンで、たとえば日産「GT-R NISMO」は3.8リッターから600馬力を発揮し、メルセデスAMG「A45 S 4MATIC+」は2リッターで421馬力というパワーを絞り出しています。
こうした超高性能エンジンでもかつてのような気難しさはなく、街なかでもストレスを感じないで走ることができることから、技術の進歩は目覚ましいものがあるといえるでしょう。
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