交通ルール無視の“宅配自転車”が急増! 接触すれば車が加害者!? 自分を守るためにできる事とは

都市部を中心に増加しているのが、飲食宅配サービスの自転車です。危険な運転が問題視されることがありますが、クルマを運転するドライバーが自分の身を守るためにできることはあるのでしょうか。

歩行者やクルマと接触事故を起こす宅配自転車

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための自粛生活が続くなかで、急成長しているのが飲食宅配(フードデリバリー)の自転車です。

 とくに都市部での需要は高く、宅配サービスの自転車を頻繁に見かけますが、そうした配達員のなかには、歩道や車道も関係なく、交通ルールや道路交通法などお構いなしの粗暴な運転をする人がいると問題視されています。

危険な運転をする自転車配達員が増加(イメージ)
危険な運転をする自転車配達員が増加(イメージ)

 実際、2020年1月から9月に自転車が関連する事故の総数は4万7163件と、前年比で19.5%減少しているにも関わらず、仕事で自転車を利用した人による交通事故は全国で958件と約1割の増加となっています。

 そのうち歩行者とぶつかった事故は113件あったということが警察庁の調べで分かりました。

 これはあくまで警察に通報された数字であり、信号待ちをしているクルマなどと接触したにも関わらず、そのまま逃げてしまった当て逃げのケースなどは含まれていません。

 また、実際に事故にはならなくても、危ない目にあったことがある人も多いといいます。

 道路交通法で自転車は「軽車両」に位置付けられているにも関わらず、信号無視や無理な横断や逆走など、野放し状態なのが現状となっています。

 警察による悪質な自転車走行への取り締まりや注意は強化されているのですが実効性は低いようです。

 しかも、「クルマ対自転車」で事故が発生した場合、基本的にはクルマ側が加害者扱いされる可能性が高いといえます。

 昨今では自転車側の罰則も強化されてはいますが、危険な運転をする飲食宅配サービスの自転車から、自分で自分やクルマを守らないといけないのです。

 そもそも、なぜ飲食宅配サービスの自転車は、そんなに無謀な運転をしてまでデリバリーを急ぐのでしょうか。その理由は報酬制度にあります。

 昨今話題となっている宅配サービスは、その会社のアプリなどを通じて登録した人が、飲食店の従業員に代わってデリバリーを請け負うシステムです。

 報酬額は距離によって金額の変動はありますが、5分程度(1kmほど)だと1配達で400円から500円程度。長距離(5kmほど)になると700円前後になるようです。

 つまり時給1000円を確保したければ1時間に2か所以上のデリバリーをこなさなければならず、また完全歩合制なので件数をこなすほどお金が稼げるシステムになっており、多く稼ぐためには1件の配達を短時間で済ませる必要があるのです。

 自転車には免許が要らないので、道路交通法はおろか交通ルールやマナーさえ知らない人でも登録やデリバリーが可能。

 さらに受け取り先や配達先などの情報もアプリ経由となり、スマホを操作しながら走行するため脇見運転も多く、車線を平気で逆走するような危険な運転も、何がいけないのか分かっていない人も多いようです。

 外食の自粛や飲食店の営業時間が短縮されている状況下では、飲食店側にとっても宅配サービスが重要な売り上げ確保の手段となっており、自宅で好きなレストランの食事が楽しめるというユーザーメリットもあります。

 もちろん、すべての配達員が無謀な運転をしているわけではありませんが、昨今の危険運転の状況をみていると、もう少し行政からのガイドラインや罰則強化などがあってもいいのかもしれません。

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5件のコメント

  1. 明治期からの判例に基づく
    古すぎる裁判前例を基準とした
    自動車(馬車)より自転車、歩行者の方が罪が低いという
    交通罰則や保険の過失割合。
    いわゆる交通弱者の考え方を改め見直さないといけないと思います。

    また、自転車は登録制度こそあれ形だけで
    ナンバー等の所有者を判別する表示をもたないから当て逃げが横行する現状に対し、
    犯罪行為を見逃していれば治安も悪化するだけに手を打つべきだが、
    取り締まりや規制強化するだけが良いとは思わない、
    規制や厳罰に頼る生き苦しい社会にならない為にも
    そのような行為が危険な犯罪行為であると自転車利用者に自覚できるよう啓発していかないとね。

  2. 自転車の車道での逆走は多いです。
    信号のない横断歩道での車の歩行者無視や、制限速度オーバーと同程度の比率はあるかと思います。
    車と同じように違反は恒常化していますね。
    追い越すときはできるだけ間隔をあけて追い越すとか気を使います。

  3. 写真のキャプションが一部不適切です
    【逆走する自転車】の写真は逆走そのもののイメージでは無く、歩行者信号で横断歩道の中を乗車して渡っている事に問題点があります。【自転車専用道路】【自転車専用道路を通行する自転車】の写真については、自転車専用道路では無く〝自転車通行帯〟になります
    このように記事を書く人さえ自転車運用ルールの知識に乏しい社会なのです
    また車の免許を持っているのに、自転車に乗るとルールの意識が変ってしまう人が多いのも不思議です

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      一部修正いたしました。

  4. 自転車は運転免許を取得しなくて乗れる乗り物です。
    だから手軽に好き勝手に周りの状況も見ないで乗っている。
    酒飲んで自転車乗っているヤツもいる?自転車でもダメだからね?飲んだら歩きなさい。
    特に自動車に対しては、接触して自転車が信号無視で100%悪くても大きい自動車の責任になってしまうので。
    でも自転車だって接触した相手が歩行者だった場合は、自転車が悪くなる事を忘れないで下さい。
    同じ2輪車でバイクはヘルメット被らないといけないのに、自転車はノーヘルメットと言うのも矛盾している。
    こんな状況で、自動車と自転車が同じ道路で走っているのを考えるとゾッとする。
    一緒に走る混走なんて無理なのでやめた方が良いと思う。極端と言われるが、事故起こってから言うても遅い。

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