米アップルが開発と噂の「Apple Car」韓国ヒュンダイが生産? トヨタなど日本メーカーの可能性は?
アップルが日系メーカーと組む可能性は?
ヒュンダイのほかに、例えば日系メーカーに対するアップルからのEV生産依頼の可能性はどうでしょうか。
ここから先は、EVや自動運転の関連取材を世界各地で継続的に続けている筆者としての個人的な想像です。
まずは、日産です。
世界初の大量生産型EV「リーフ」を世に出し、ゴーン体制後のV字回復で「アリア」への期待が高まるなど、世界を代表するEV開発・生産の大手です。
ただし、電池技術については、2007年にNECなどと共同設立したオートモーティブエナジーサプライを2019年に中国の環境関連企業エンビジョンに売却しているため、仮にアップルからのEV生産依頼があった場合、電池供給を含めて受注の窓口を日産で一本化できるのか、疑問が残ります。
また、自動運転技術については、米半導体大手インテル傘下となったイスラエルのモービルアイとの連携が強く、アップル独自開発の自動運転アルゴリズムなどをどう盛り込むのかで、各方面との調整が必要になるでしょう。
次に、ホンダは、米GM主導で中大型乗用車プラットフォーム「アルティウム」で連携しており、使用するリチウムイオン二次電池は韓国LG化学製です。アップルからのEV受託は難しいという印象です。
そして、トヨタですが、よくよく考えてみると、アップル自動運転EVと連携する可能性はゼロではないと思えます。
トヨタはこれまで、IT大手GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)と個別案件で付き合いがあります。
アップルについては、日産やホンダも同様ですが、スマホと車載器の連携システム「Apple CarPlay」を採用しており、トヨタとアップルは中立的な付き合い方に思えます。
EVについては現時点で、中国での新エネルギー車(NEV)規制対策として、「C-HR EV」やレクサス「UX300e」、また国内での新規市場である超小型モビリティで「C+pod (シーポッド)」を投入するなど、国や地域の社会情勢に応じたピンポイントでの開発・生産をおこなっています。
そのうえで、インド市場ではスズキ向けにトヨタが主導でEV開発をおこなうことで準備が進んでいますし、また北米市場を主体に想定していると思われるスバル向けEV開発を進めていることもスバル側から公表されています。
こうした他メーカーと連携するという視点でのEV開発・生産に関するノウハウに加えて、自動運転開発ついてもシリコンバレー企業出身者も多いトヨタ・リサーチ・インスティテュート(及び、同アドバンスド・デベロップメント)ならば、アップルとの相性も良いように感じます。
繰り返しますが、これはあくまでも筆者の想像です。
そうとはいえ、周知の通り、いま「100年に一度の大変革」の真っただ中にいる自動車産業界。これから先、何が起こっても不思議ではないと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
日産と”組む”ではなくappleの子会社化になるだろうし、そうなればリーフ系とせいぜいe-Power系だけで、それ以外はさらに第三国に売却になるだろうし、そうなると買うところは中国、韓国、インド、東南アジア辺りはいらないから、中東辺りだけしか買い手がつかないのでは?
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