人気続く「SUV」ブームから定番化? 日本人の心を掴んだ鍵は「コンパクトSUV」か
近年の新車市場では、世界的にSUVの人気が高まっているといわれますが、2020年もさまざまなSUVが登場し、売れ筋モデルとなっていきました。果たして、SUVは一過性のブームではなく、定番化したといえるようになったのでしょうか。
長く続くSUVブーム、いよいよ定番化?
近年、世界的にSUVの人気が上昇しているといわれていますが、2020年を振り返ると日本においてもSUVの人気ぶりが際立っていた年だったといえるでしょう。
なかでも、SUVというカテゴリが幅広い車格において人気を博した点が印象的といえますが、2020年にSUV人気は果たして定番化したといえるのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が2021年1月8日に発表した2020年(1月から12月)の新車販売台数ランキングによると、首位にはトヨタ「ヤリス」(15万1766台)がランクインしました。
自販連の集計では、コンパクトカーの「ヤリス」(2020年2月発売)、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」(2020年8月発売)、そしてホットハッチの「GRヤリス」(2020年9月発売)という3車種で構成されるヤリスシリーズが、「ヤリス」の販売台数としてカウントされます。
そのためコンパクトSUVのヤリスクロスが単独でランキング首位を獲得した訳ではありませんが、2020年8月の発売後1か月の間に約3万9000台を受注ということから、その人気は本物です。
また2位の「ライズ」(12万6038台)は、2019年11月に発売されたコンパクトSUVで、同時に登場したダイハツ「ロッキー」のOEMモデルに位置づけられます。
発売後、自販連の各月の販売台数ランキングで何度も1位を獲得。その結果、年間販売台数ランキングでSUV単独のモデルとしては3年ぶりとなるトップ5内にランクイン。
3年前の2017年にトップ5内に入ったのは、トヨタ「C-HR」の4位だったので、このときよりも高い順位をライズは獲得したことになります。
ちなみに、OEM元のロッキーは3万1153台を販売し24位にランクイン。
ライズを取り扱うトヨタの販売店は全国で約5000店舗あるといわれているのに対し、ロッキーを取り扱うダイハツの販売店は全国約800店舗と、6倍以上の差があることから、ロッキーも十分健闘しているといえるでしょう。
そして、SUV市場は前出のモデルのみが売れ行き好調となっているのではなく、カテゴリ全体として盛り上がりを見せています。
自販連が発表する2016年から2020年の販売台数ランキングトップ30に含まれるSUVのモデル数を見ると(シリーズ内にSUVのある車種を含む)、2016年と2017年は6車種、2018年と2019年は8車種、2020年は11車種になり、1/3以上を占めるまでに増加しています。
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