「ソ・ソ・ソリオ♪」 新型モデルはどう変わった? 魅力増した部分とは
2020年12月4日に発売されたスズキの4代目「ソリオ/ソリオバンディット」。楽しそうなTVCMとは裏腹に真面目な印象があるスズキのコンパクトハイトワゴンですが、どのような進化を遂げたのでしょうか。
「ソ・ソ・ソリオ♪」 どんな部分が進化した?
コンパクトハイトワゴンの先駆者であるスズキ「ソリオ」。初代は「ワゴンR(軽自動車)」の拡大版というイメージでしたが、2代目から独自のキャラクターを構築しました。
先代となる3代目はプラットフォームの刷新で走りも大きくレベルアップ。今や「スイフト」と並ぶスズキの登録車の重要な「柱」となっています。
そんななか、4代目となる新型モデルが2020年12月4日に発売されました。
ノーマル系のソリオ、カスタム系のソリオバンディットのラインナップは新型モデルでも継承。
チーフエンジニアの永田和夫氏は、新型のコンセプトについて、次のように語っています。
「先代は高い評価を受けましたが、その一方で『もっと●●だったらいいのに』という声もたくさん聞いています。
そこで新型は先代のコンセプトを活かしながら『全方位』の進化をおこなっています」
エクステリアはキープコンセプトですが、全長拡大(+80mm)で伸びやかさ、全幅拡大(+20mm)で抑揚がプラスされたデザインに進化しています。
筆者(山本シンヤ)としては、ソリオはまじめ過ぎた先代に対して「華」がプラスされ、ソリオバンディットは「大人っぽさ」がプラスされていると感じました。
一方、インテリアは基本的なレイアウトは不変ながらもデザインは大きく進化。少々雑多な感じが拭えなかった先代に対してスマートかつ質感も高められています。
ちなみにソリオがカジュアルでクリーンな印象のネイビー/ホワイト、ソリオバンディットが上質でクールなボルドー/ブラックと、エクステリアに合ったカラーコーディネイトです。
ソリオの魅力のひとつである居住空間はさらに進化。荷室床面長は何と先代+100mmで、後席のスライド位置を気にせずにラゲッジスペースを活用できるようになっています。
また、後席の肩周りのスペースを+20mm、上下左右のヘッドクリアランスを+5mm拡大することで、居住性はさらに高められています。
後席スライドを最後端にするとリムジン顔負けの足元スペースですが、リアタイヤの突き上げが少々気になるところです。
筆者的には最後端から少し前(10mmから20mm)に動かしたほうが、快適性は高いと感じました。
新型モデルは装備の充実もポイントで9インチディスプレイ(スズキ小型車初)のメモリーナビは燃費情報やエコスコア、エネルギーフローなどスズキらしからぬ多機能でビックリです。
またヘッドアップディスプレイ(スズキ小型車初)も注目装備のひとつですが、すぐ横に大きい表示かつ視線移動の少ないセンターメーターがあるので、表示項目は欲張らずに割り切ったほうがいいと思いました。
加えて、新型は前席上部に空気を循環させることで室内温度を均一化させるスリムサーキュレーターを装着。
広い室内空間故に問題だった前/後席の温度差を後席エアコンの装着なしに解決という、ナイスアイデアです。
パワートレインは廉価版に1.2リッター自然吸気を残していますが、メインとなるのは1.2リッター自然吸気-NA+ISG(モーター機能付発電機)+リチウムイオンバッテリー(12V)のマイルドハイブリッドです。
ちなみに先代に設定されていた1.2リッター+モーターと5速オートギアシフト(AGS)を組み合わせたストロングハイブリッドはモデル落ちとなりました。
その理由を永田氏に聞くと、次のように教えてくれました。
「ひとつはユーザーの評価は高いものの台数が少ないこと、もうひとつはバッテリーとラゲッジスペースのバランスを考えた結果、今回はマイルドハイブリッド一本にしました。
ただ、ストロングハイブリッドの開発は今も続いていますし、世の中の流れも時々刻々と変化していますので、我々としても柔軟に対応できるようにしています」
プラットフォームは先代のアップデート版になります。軽量ボディは音が厳しい事から入念な防音/防振対策がおこなわれています。
具体的にはエンジン音を吸収するためのダッシュアウターサイレンサーの改良、雨音の抑制のためにルーフ周りに高減衰マスチックシーラーの採用、ロードノイズ低減のためにリアフェンダーライニングの全面化/スタビライザーストッパーの採用です。
また、走りの部分では構造用接着剤の追加やサスペンションのアップデートなどもおこなわれています。
このフェイスバランスでスティングレーやスペーシアカスタム出してほしかった