9000万円で落札されていた「ストラトス・ゼロ」 マイケル・ジャクソン主演映画に登場していた!?
WRCラリーで無敵の強さを誇ったランチア「ストラトス」。そのデザインのルーツとなった「ストラトス・ゼロ」とは。
実走可能なランチア「ストラトス」のデザインスタディ
のちに伝説のラリー専用マシンとなるランチア「HFストラトス」の原型として1970年秋のトリノ・ショーにて発表されたコンセプトカー「ストラトス」。当初は単に「ストラトス」の名で呼ばれていたが、HFストラトスのデビュー以降は「ストラトス・ゼロ」と称されるようになったという。
●1970 ランチア「ストラトス・ゼロ」
このコンセプトカーを企画したのは、ベルトーネ総帥のヌッチオ・ベルトーネと、ランチアのワークスチーム「ランチア・スクアドラ・コルセ」チェーザレ・フィオリオだった。
デザインワークを手掛けたマルチェッロ・ガンディーニがあくまで低い全高を目指した結果、3580mm×1840mmの全長×全幅に対して、全高は880mmという極端なディメンションとなった。
また、このような鮮烈なデザインスタディながら、実走も可能なプロトティーポとして製作されており、シャシは専用の鋼管スペースフレーム+サブフレームで構成されている。
サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット+コイル。リアサスは、「フルヴィア」のフロントから流用したダブルウィッシュボーン+コイルとされた。
そしてミッドシップに搭載するパワーユニットとして選ばれたのは、フルヴィアの最高性能モデル「ラリー1.6HF」からコンバートした挟角(バンク角11度20分00秒)V型4気筒SOHCエンジンで、1584ccの排気量から115psのパワーを発揮するとされていた。
1980年代には、パイオニアのカーオーディオシステム、その名も「カロッツェリア」のCMに登場したほか、1988年には故マイケル・ジャクソン主演で製作された映画『ムーンウォーカー』にもオレンジ色のストラトス・ゼロが出演して、当時は大きな話題となった。
ただし『ムーンウォーカー』に登場するストラトス・ゼロは、英国のスペシャルカービルダー、アンディ・サウンダースが、フィアット「X1/9」をベースに一品製作した精巧なレプリカとのことである。
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