ポルシェの原点「356」が3400万円! レストモッドで蘇るクラシックカーの価値とは
ポルシェマニアが最後に辿り着くともいわれている「356」。このおよそ70年も昔のクルマを、現代のテクノロジーでレストモッドした個体を紹介しよう。
元祖ポルシェといえば「356」
RMオークションがオンラインで開催した、「オープン・ロード・オークション」に出品された、1台のポルシェ「356」を紹介しよう。
●1951 ポルシェ「356クーペbyロイター」
出品された356は、1951年という年式を考えても、完全なオリジナルというわけではなく、さまざまなテクニックを用いてレストアとモディファイをおこなった、いわゆるレストモッドの356である。
実際にこの個体を製作したのは、数々の356を甦らせた実績を持つドイツのロイター、そしてカリフォルニア州リバーサイドにあるカルデックスの両社だ。
ロイターにとって幸運だったのは、フロアパネルやエンジンフード、そしてドアがほとんど腐食のない、オリジナルのものであったことだ。
そもそもポルシェ356はポルシェとVWとの間に締結された技術コンサルタント契約、そして販売の契約によって市場へと送り出すことが可能になったモデルといってもよい。
VWはポルシェのもつ特許技術を自由に使用でき、またポルシェはVWのセールス・ネットワークで356を販売できる、いわゆるウィン・ウィンの関係が成立したのだ。
ポルシェは、それまでのオーストリア・グミュントの工場から、1948年にシュツットガルト近郊のツッフェンハウゼンに移転し、ロイターの工場の一部を賃貸して、1948年にようやく356の本格的な生産を開始した。
最初に生産されたモデルは、356/1100(タイプ369)のみだったが、1951年になると356/1300(タイプ506)と356/1500(タイプ527)が新たにラインナップに加わることになる。
出品車はそのタイプ527で、当時としてはもっともスポーティな仕様だった。1.5リッターの排気量から発揮される最高出力は60ps、最高速は155km/hを記録すると当時のデータにはある。
ブレーキもツー・リーディング・シューとされ、制動力が強化されている。
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