「見た目よりもスゴいんです!」 羊の皮を被った狼的な車5選
地味な外見ながら速いクルマを「羊の皮を被った狼」と表現することがあります。そのなかでも、まったく速そうに見えないながら、高出力エンジンを搭載したクルマを紹介します。
地味ながら速い! 「羊の皮を被った狼」なクルマたち
各メーカーの新車には、さまざまなグレードが設定されますが、売れ筋のグレードのほかに、ハイパワーエンジンを搭載した少し個性的なモデルが設定されている場合があります。
今回はベースモデルがレーシーなデザインではないのに、ハイパワーエンジンが搭載されている“羊の皮を被った狼”的なクルマを5台ご紹介します。
●三菱「エアトレック ターボR」
「エアトレック」は、それまでの「チャレンジャー」の実質的な後継モデルとして2001年6月に登場したクロスオーバーSUVです。
チャレンジャーは、クロスカントリーRV「パジェロ」譲りのラダーフレームが採用され、クロスカントリーRVとしての要素が強いモデルでしたが、エアトレックはランサーをベースとしており、乗用車ライクな乗り味のモデルでした。
いまでは、背の高いモデル対応の駐車場が増えため、立体駐車場のサイズを気にしてクルマの車高を設定するモデルは少ないですが、エアトレックは1550mmに抑えられシティ派のクロスオーバーSUVとして位置づけられています。
エアトレックに採用されたなめらかな曲線を採用したスタイリッシュなスタイリングは、都会的で魅力的でしたが、決して速さを感じさせるものではありませんでした。
しかし、2002年6月に投入された新グレードの「ターボR」は、ハイパフォーマンスセダンのランサーエボリューションシリーズと同様の2リッター直列4気筒ターボエンジンをベースとした240馬力のエンジンが搭載され、一気に走りの性能がアップしました。
ターボRのエンジンは、ランサーエボリューションVIIのATモデルである「ランサーエボリューションGT-A」が272馬力と比べると、エアトレックに搭載するにあたって、多少デチューンされているものの、スタイリッシュなシティ派のクロスオーバーSUVにハイパワーエンジンを搭載している点は、“羊の皮を被った狼”でした。
なお、エアトレックは1代限りで終わり、その後、国内では現在の「アウトランダー」が後継車となります。
●トヨタ「ブレイドマスター」
トヨタ「ブレイド」は、姉妹車「オーリス」の2か月後となる2006年12月に登場したコンパクトハッチバックモデルです。
オーリスは比較的オーソドックスなコンパクトハッチバックでしたが、ブレイドは“大人しくない大人に、ショート・プレミアム”というキャッチフレーズで登場。コンパクトハッチバックとしては高級なモデルとして位置づけられました。
エンジンは、オーリスが1.5リッターと1.8リッター直列4気筒のラインナップであるのに対し、2.4リッター直列4気筒を搭載。
2.5リッターや3.5リッターエンジンを搭載する上級セダンの「マークX」に迫る大排気量は、オヤジ世代のダウンサイジングの受け皿としても注目のモデルでした。
2007年8月には、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載する「ブレイドマスター」が登場。なんとこのエンジンは280馬力を発生し、軽量コンパクトなボディということもあり、スポーツカー並みの加速力を体感できるモデルでした。
車両重量を馬力で割ったパワーウエイトレシオは、約5.2kg/psとなっており、スポーツカーのトヨタ「86」が約5.8kg/psであることを考えるとその走りは俊敏なものでした。
しかし、見た目はスポーツカーのようなウイングなども装着されているわけではなかったので、まさに“羊の皮を被った狼”と呼べるモデルでした。
●日産「エクストレイルGT」
「エクストレイル」は2000年11月に登場した新しいコンセプトのSUVで、「テラノ」や「ミストラル」のようにラダーフレームを採用したクロスカントリーSUVとは異なるモデルとして登場しました。
悪路の走破性よりもスキーやスノーボードなどのウインタースポーツやBMXなどXスポーツを楽しむユーザーに照準が置かれたコンセプトが受け、若者も含め人気のモデルとなりました。
そして、発売3か月後の2001年2月には、2リッター直列4気筒DOHCターボを搭載した「GT」が発売されました。
VVL(可変バルブタイミングリフト機構)も採用したこのターボエンジンは、最高出力280馬力を発生し、自然吸気エンジンのみラインナップしていたトヨタ「RAV4」とは一線を画するハイパワーモデルでした。
Xスポーツを楽しむユーザーが多人数で荷物を満載して山道を走破するには充分すぎるともいえるハイパワーを搭載したエクストレイルGTも、“羊の皮を被った狼”といえるモデルでしょう。
エアトレックは標準車でもシンプルなセンターデフ四駆でよろしかったですね。
実は自動車メーカーも本来はこんな車が作りたいのではないかな?
トルクスプリット4WD!!な〜んて聞くと?オ〜!!と思うかもしれませんがねw