あれ?まだ買えない… 新型車発表もスグ発売しない事情は? 売る側・買う側で異なるメリットとは
発売までおあずけ状態のユーザーにメリットはある?
日産では、コンパクトカーの主力モデル「ノート」の新型モデルを2020年11月24日に発表。発売は1か月後の12月23日としました。
2020年3月に発売された新型「ルークス」、6月に発売された新型「キックス」においても、事前に発表してから発売しています。
日産は次のようにコメントしています。
「基本的には好みの仕様をオーダーしてもらうということもあるのですが、発表から発売までの間にお客さまに検討してもらいたいということもあります。
メディアにいろいろな記事が掲載されることで、お客さまの目に触れる機会を増やして、購入につなげたいという意図があり、事前に発表することが多いです」
また日産は、「NISSAN NEXT」と称して「今後18か月で12の新型車を投入する」という中期計画を2020年5月28日に発表。
そのなかの注目車種として、同年7月15日に新型クロスオーバーEV「アリア」を発表、9月16日に新型「フェアレディZ(プロトタイプ)」を世界初公開しました。
しかし、新型アリアも新型フェアレディZも、いつ発売されるのかは明らかにされていません。
これらのモデルを発売よりもかなり前に発表する理由について日産は、「経営陣も一新され、これから頑張っていくという決意表明として、『NISSAN NEXT』を象徴するモデルである新型アリアと新型フェアレディZを先行発表しています」とコメントしています。
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事前に公開することで効率的な生産がおこなえたり、試乗車の準備や新型車の認知度アップなど、メーカー側にメリットがあることはわかりましたが、発売前のクルマを注文するユーザーはどのように思っているのでしょうか。
トヨタ新型「ヤリスクロス」を購入したS氏(50代・男性)は次のようにいいます。
「納車は早いに越したことはないですが、ヤリスクロスが欲しかったから今回は納車までの時間が長くても我慢しました。
ヤリスクロスはカッコいいし、安全や便利機能が良かったからです。価格は安くはなかったけど、装備や性能などを考慮するとコストパフォーマンスは良いと思いました。
本当に欲しいクルマだったら、納期が長くてもユーザーも待てると思います。私の場合は車検期限と納車のタイミングが合ったこともあり、気にならなかったです」
発売前に購入するとなると、実際にクルマを見たり試乗することができません。それでも魅力的なクルマであれば、待ってでも欲しいという意見もあるようです。
また、新型車が先行公開された段階で、旧型車の在庫や値引きを狙うというユーザーも存在します。
昨今では受注生産が多くを占めているものの、ディーラーによっては在庫を抱えており、新型車が事前に発表されると、旧型車の在庫を売り切るためにさらなる値引きが期待できることもあるようです。
在庫車では欲しい仕様が選べないこともありますが、新型車の発表と発売のタイムラグにより、安く購入できる可能性がある旧型車を狙うかどうか判断ができるという点ではユーザーにもメリットもあるといえそうです。
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