あれ?まだ買えない… 新型車発表もスグ発売しない事情は? 売る側・買う側で異なるメリットとは
最近の新型車は、発表された後、数週間から数ヶ月後に発売されることが増えています。発表後すぐに発売されない理由とは、どのようなことなのでしょうか。
新型車が発表されてもすぐに発売されないのにはワケがある!?
新型コロナウイルスの影響で、2020年は経済が大きく低下しましたが、それでも自動車業界においては多くの新型車の登場やフルモデルチェンジがおこなわれました。
ここ最近の新型車においては、正式発表してから実際に発売されるまでの期間が長くなっている傾向があります。なぜ最近の新型車は、発表した後すぐに発売されないのでしょうか。
昨今の新型車は、デザインの一部を先行公開し、その後正式発表および予約受注が開始したのち、数週間から長いときには数か月後に発売というケースが見られます。
2020年10月に2代目にフルモデルチェンジしたスバル新型「レヴォーグ」の場合、2019年10月の東京モーターショーでプロトタイプ世界初公開、2020年8月20日に予約受注開始、10月15日に発表、11月中旬に納車開始(発売)しました。
これについてスバルは次のようにいいます。
「受注と発売の間にある程度の期間を設けているのは、ユーザーの希望のグレードや仕様を把握してから生産するためです。
お客さまを長期間待たせてしまうのはデメリットですが、在庫をなるべく抱えず、ユーザーが好きな仕様を選べる受注生産の形がほとんどとなっています」
発表から発売までにタイムラグがあるのは、効率的にクルマを生産するために必要な期間というわけです。
新型レヴォーグに関しては、これまでより機能アップした「アイサイト」や、上級グレードには高速道路でハンズオフ走行がおこなえる高度運転支援システム「アイサイトX」が備わります。
新車を開発するときには、もちろんテストコースで十分に検証がおこなわれますが、スバルは「アイサイトの開発には路上テストも不可欠で、一般道で走り込みをしている」といいます。
一般道で発表前のクルマを走らせるときは、クルマのデザインがわからないようにカモフラージュ柄の車両で、仮ナンバーと呼ばれるナンバープレートを装着していますが、スバルの場合、群馬・太田の仮ナンバーが付くので、擬装していてもスバル車だとすぐにわかってしまいます。
その点、新型レヴォーグは東京モーターショー2019で公開していたので、一般道でのテストも堂々とおこなえたという話もあり、ここにも事前に公開していたメリットがあったようです。
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ホンダでは、軽自動車の新型モデル「N-ONE」が2020年11月に発売されましたが、同車の先行ウェブサイトが公開されたのは9月で、内外装のデザインや仕様について発表されました。
発表と発売までにタイムラグがあることについてホンダは、ユーザーの受注状況を把握するためというスバルと同様の事情のほか、試乗車の準備が関わっているともいいます。
新型N-ONEでは、スポーティグレードの「RS」に軽自動車初のFFターボ+6速MTをラインナップ。
ディーラーの試乗車も、CVTモデルに加えて、ユーザーに走りの良さを体感してもらいたい6速MTモデルを準備することから、通常より多くのクルマを生産する必要があり、発表と発売の期間を長く確保したという事情があったようです。
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