なぜ12月に交通事故多発? 事故が起こりやすい原因と注意すべきポイントとは
毎年12月は、交通事故がもっとも多いといわれています。師走の忙しい時期に交通事故を起こさないためには、どういったことに気をつけて運転をすれば良いのでしょうか。
交通事故は、発生件数・死亡者数ともに12月がもっとも多いといわれています。
師走の忙しい時期に交通事故を起こさないためには、どういったことに気をつけて運転をすれば良いのでしょうか。
警察庁の事故発生件数・負傷者数のデータによると、平成に入り平成16年頃(2004年)まで増加してきたものの、それ以降は減少傾向へと転じました。
また死者数は平成4年以降(1992年)に減少傾向が続き、平成初期と比較すると現在は半数以下の水準となりました。
その背景にはシートベルト装着率やエアバッグ、ABSなどの安全装備が大きく普及したこと、飲酒運転の厳罰化など取り締まりや警察による啓蒙活動を通じて、ドライバーの安全運転への意識の高まりが影響していると考えられています。
また近年では、「衝突被害軽減ブレーキ」や「車線逸脱警報」といった先進安全装備の進歩などにより、事故を起こしにくいクルマの登場や事故の際に乗員などの安全が確保されやすい環境になったことも、交通事故の発生件数が年々減少している要因のひとつといえます。
このように年単位では減少傾向にある交通事故ですが、交通事故分析センターが2020年7交通事故統計年報の「月別交通事故発生状況の推移」の2018年1年間のデータによると、12月の交通事故発生件数は3万9406件となっており月別で最多です。
また、交通事故死亡者数に関しても、12月に最多の410人となっており、12月は明らかに交通事故が多いといえます。
交通事故の要因は、複数に渡る場合が多く、12月に交通事故が多く発生する要因にも多くのことが考えられます。
12月は1年のなかでもっとも忙しい繁忙期となっており、業務用のクルマの増加だけでなく、年末にかけての帰省や旅行など、自家用車の交通量増加も交通事故件数へ影響を与える要因となります。
また、12月の特徴としてほかの月よりも日没時間が早いことが挙げられ、17時台から19時台の日没前後にあたる「薄暮時間帯」が、交通事故が多いとされています。
夜間は昼間に比べて視認性が低くなることから、昼間であれば見えていたものが見えなくなってしまうというリスクが高くなります。
警察庁の「平成25年以降の5年間の時間帯別の死亡事故件数」を見ると、日中の11時は846件、12時は731件に対して、17時は1211件、18時は1128件、19時は1077件と、1日の時間でもっとも事故件数が多いことが分かります。
12月のこの時間帯は、ちょうど職場や学校からの帰宅時間でもあり、歩行者や自転車、クルマなどの交通量が多い時間帯に暗くなってしまうことが事故の数を増やす要因のひとつになっていることが考えられます。
月別で見ても、6月は97件、7月は131件と、日の長い時間は事故件数が少ないのに対して、11月は307件、12月は311件と、日が短くなるのに比例して事故件数が増えています。
「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」では、10月以降から12月にかけての薄暮時間帯は、自動車と歩行者の衝突事故が増加しており、とくに横断歩道ではない場所で横断する歩行者の発見が遅れ、事故に至っているというケースが見られます。
12月における交通死亡事故の年齢層は、昼夜共に65歳以上の割合が3割以上に達し、危険回避の遅れにより気づいたときには双方が接触を避けられずに事故に至るケースが多いと考えられます。
このほか、飲酒運転や、スリップによる人身事故、積雪や路面の凍結による事故などが原因となり、12月は交通事故が起こりやすいとされています。
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