話題の「知事車」で人気は何? 最高級「センチュリー」じゃない意外な車種とは

一番走行距離を走っているのはどの都道府県?

 それでは、知事車はどれくらい走行しているのでしょうか。全都道府県の事情を調べてみました。

 知事車を新しく入れ替えるときの条件は、各都道府県によって異なります。

 リース契約の場合は走行距離に関係なく5年で入れ替えるケースが多いようですが、走行距離10万キロを目安に入れ替える、耐久性や走行、メンテナンスに問題がなければ20万キロ超となっても使われ続ける知事車もあります。

 現在使用されているなかでは、長崎県のヴェルファイア(ハイブリッド車)は2012年9月から採用され24万8000キロを走行しています。

 また、石川県のセンチュリー(2012年12月から)や福岡県のクラウンマジェスタ(2000年6月から)が約20万キロと過走行気味です。

 総走行距離としてもっとも多いのは、茨城県の先代知事車(2006年から2018年使用のセンチュリー)と徳島県の先代知事車(2007年から2017年間使用のセルシオ)で、ともに総走行距離26万キロという結果になりました。

 現在の知事車でもっとも距離を走行している長崎県庁の長崎県総務部管財課自動車班は次のように話します。

「長崎県知事は県外への出張に知事車を使うことが多いため距離が伸びます。

 あと、先代の知事車は2012年9月からは副知事車として使用しており、22万2000キロという距離は副知事車時代を含めています」

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 では、走行距離が短い知事車はどうでしょうか。こちらはやはり、大都市圏の東京、大阪、千葉、埼玉などが短くなっています。

 全般的に首都圏や関西圏は走行距離が短めですが、神奈川県は2014年7月に日産「プレジデント」からシーマに乗り換えて2020年10月までに16万キロを走行。首都圏のなかでは断トツに多い走行距離です。

 なお、直近では、大阪が2019年の1年間で4425キロ、2020年の4月から9月はわずか1586キロとなっています。

 千葉は年間平均で9000キロ、また東京は2020年6月に新しい知事車に入れ替わりましたが、10月末までに5000キロです。

 埼玉は2020年3月に新しくレジェンドに入れ替わりましたが、10月末までの走行距離は5700キロ。

 2020年は大都市圏に限らず、どの地域でもコロナ禍によって走行距離がかなり短くなっている傾向もあります。

※ ※ ※

 知事公用車は都道府県の「顔」という側面があり、何かと目立つ存在でもあるため意外と堅実なクルマ選び&使用がおこなわれていると感じます。

 高額なセンチュリー購入で騒がれたほとんどのケースは、県議会議長や貴賓車など知事以外が乗るクルマとして購入されたものでした。

 今後はほとんど使わない高級車の購入など、無駄遣いをやめる県が増えそうです。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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