なぜ時代に逆行? スズキ新型「ソリオ」フルHV廃止! 電動化の鍵はトヨタが握る?

スズキの電動化の鍵はトヨタが握る?

 ソリオ/ソリオバンディットのハイブリッド車事情は前述のとおりですが、スズキ全体の電動化では、今後どのような展開が考えられるのでしょうか。

 日本政府や東京都が掲げる脱純ガソリン車ですが、それは2030年から2035年を目処としています。

 つまり、後10年から15年で純粋なガソリン車/ディーゼル車は姿を消すことになるのです。

 そのなかで、軽自動車やコンパクトカー(5ナンバー車)は、普通車(3ナンバー車)よりハイブリッド車販売比率は依然として高いとはいえません。

 とくに、軽自動車ではガソリン車もしくはマイルドハイブリッド車がほとんどとなり、今後ストロングハイブリッド車やさらに電気自動車に移行していくと、開発コストが上昇することから、販売価格も高騰することが予想されます。

 かつての軽自動車は100万円以下、高くても100万円台半ばというモデルが大半でしたが、現在では基本性能向上や安全機能の標準装備化が進み100万円台後半から200万円台半ばとベース価格が高騰しています。

スズキ新型「ソリオ」と「ソリオバンディット」。ストロングハイブリッド車の復活はあるのか。
スズキ新型「ソリオ」と「ソリオバンディット」。ストロングハイブリッド車の復活はあるのか。

 仮にプリウスのようなストロングハイブリッドシステムを搭載すると、トヨタの場合、同モデルのガソリン車とハイブリッド車の価格差が約60万円、プラグインハイブリッド車であれば100万円ほどとなり、それを軽自動車に当てはめると単純に300万円に近づく価格となり得るのです。

 軽自動車は車体価格が普通車よりも安価な部分が普及した要因として挙げられるため、車体価格の上昇は軽自動車市場の大きな危機ともいえます。

 今後の電動化について、スズキの代表取締役社長・鈴木俊宏氏は次のように述べています。

「今後は、トヨタのハイブリッドシステムを採用する可能性や、価格面などにおいてはハイブリッドシステムの一部パーツを使用して開発することもあり得ます」

※ ※ ※

 今後10年後には、世界各国での規制が強化されることや各メーカーの電動車ラインナップが増えることで競争も激化することが考えられます。

 そのなかで、トヨタは今回のスズキをはじめ、グループ企業のダイハツ、資本提携関係のスバル、マツダといったメーカーは国内外でトヨタのハイブリッドシステムを搭載したモデルを展開予定だといいます。

 日本の新車市場の5割以上を占める軽自動車やコンパクトカーにおける電動車戦略がどうなっていくのか、この先5年、10年の動きが決め手となりそうです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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