1000万円以下で手に入れるお薦めフェラーリ「456 GT」は渋色、MTを狙え!

珍しい色の456GTの気になる落札価格は?

 今回の出品車のボディカラーは、ヴェルデ・イングレーゼ(イングリッシュ・グリーン)と呼ばれるもので、これは当時の記録によれば、わずか55台のみの左ハンドル車に使用されたカラーであるという。

●1996 フェラーリ「456 GT」

1990年代当時もっとも先進的で、またフェラーリのいう「最高のもの」にほかならなかった「456 GT」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
1990年代当時もっとも先進的で、またフェラーリのいう「最高のもの」にほかならなかった「456 GT」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 フロントに搭載されるエンジンは、5479ccのV型12気筒自然吸気。10.6の圧縮比とボッシュ製のエンジン・マネージメント・システムによって、442psの最高出力が得られている。

 組み合わせられるトランスミッションは、GTが6速MT、GTAは4速ATの選択が可能で、出品車は近年オークション市場でも人気の高い前者の方だ。

 結果そのパフォーマンスは、0−100km/hで3.3秒。最高速は300km/h以上と発表されている。

 この圧倒的な運動性能に対して、一切のエアロデバイスを持たないかのように見える456GT/GTAだが、リアのテールエンドにはリップスポイラーが、そしてバンパー下には電動式の可変式のスポイラーが装備されている。

 丸目4灯式のテールランプと4本出しのエグゾーストが組み合わされるリアビューもまた、現代の目で見ても美しい。

 インテリアのデザインも、ここ最近のスーパースポーツと比較すると、シンプルなデザインではあるが、高級感が保たれていて好感が持てる。6速MTはリバースが左上に配置されるデザインで、アルミニウム製のシフト・ノブは、アルミニウム製の削り出しだ。

 ダッシュボード上のスイッチからは、ハード、ミディアム、ソフトの3段階にサスペンションのセッティングを選択することも可能だが、456GT/GTAは常に減衰力を走行状況に応じて自動的にコントロールしており、さらにリアにはセルフ・レベリング機能も備わる。

 1990年代当時、それはもっとも先進的で、またフェラーリのいう「最高のもの」にほかならなかったのだ。

 今回出品された456GTは1996年式。新車でのデリバリー後、ヨーロッパ各国で所有され続けてきたが、サービスはすべてフェラーリのディーラーでおこなわれてきた。

 こうしたことが大きなバリューとなったのだろう、注目の落札価格は6万3800ポンド(邦貨換算約893万円)。かなり魅力的に感じるプライスでの落札だった。

【VAGUEの見解】
 イングリッシュ・グリーンという渋色のボディカラー、そしてFR4座、マニュアルトランスミッションというまさに分かる人にだけ刺さる組み合わせのフェラーリ。このようなフェラーリをサラリと乗りこなすのが、本当の粋人といっていいだろう。

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