激売れもなぜ姉妹車SUVで明暗? 「ライズ」と「ロッキー」 要因はSUVラインナップ?

2019年11月5日に登場したコンパクトSUVのトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」は発売から1年が経過しました。両車は基本設計が共通であるにも関わらず販売台数の格差が拡大していて、2020年11月度はライズが1万627台を販売したのに対し、ロッキーは1400台と、わずか13%分しか売れていない結果となりました。なぜ、明暗が分かれているのでしょうか。

新車販売はチーム戦? なぜトヨタとダイハツで明暗が分かれた?

 2019年11月5日に登場したコンパクトSUVのトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」は、発売から1年強が経過しました。

 他社には近いボディサイズのSUVがあまりない状況で、人気車種として販売台数を伸ばしてきましたが、近年ではライズとロッキーで売れ行きに明暗が分かれつつあるといいます。いったい、両車にどのような違いが出てきたのでしょうか。

ダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」
ダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」

 ライズとロッキーはダイハツが開発・製造を担当。それぞれ別のフロントデザインが与えられているものの、基本設計は共通です。ライズはロッキーのOEM車という位置づけになります。

 ダイハツが新世代のクルマづくりと位置づける「DNGA」による新技術が取り入れられたモデルで、ダイハツ車としては軽自動車の「タント」に続くDNGA第二弾モデル、トヨタ車としてははじめてのDNGAモデルとなります。

 ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmで、エンジンは最高出力98馬力の1リッター直列3気筒ターボを搭載。

 両車のグレード体系および装備、価格(消費税込、以下同様)には若干の差異があり、ライズが167万9000円から228万2200円、ロッキーが170万5000円から236万7200円に設定されています。

 そんななか、発売以降の両車の販売台数を見ると、徐々にロッキーがライズに引き離されているのがわかります。

 日本自動車販売協会連合会が発表する販売台数を見ると、発売月である2019年11月のライズの7484台という販売台数に対し、ロッキーは4294台を記録。ライズを100%としたときのロッキーの販売台数は57%です。

 ライズは全国で約5000店舗あるといわれるトヨタ全店で販売されるのに対し、ロッキーを取り扱うのは全国約800店舗のダイハツ店と、6倍以上の差があることから、この時点でロッキーは大いに健闘していたといえるでしょう。

 それから2020年3月までのは販売台数、ライズは約9000台から約1万2000台の間、ロッキーは約3000台から約5000台の間で推移し、ライズを100%としたときのロッキーの販売台数は31%から42%の間を上下していました。

 2020年4月は政府の外出自粛要請の影響とみられる販売台数減少があり、ライズは5545台、ロッキーは2131台まで販売台数が落ち込みましたが、それでもロッキーはライズに対して38%の販売台数を維持していました。

 状況が変わったのは2020年5月以降、ライズが販売台数を回復させ、月販1万台を超える月が再び連続していったのに対し、ロッキーは月販3000台を超えることさえ難しい状況に陥りました。

 ライズを100%としたときのロッキーの販売台数も、17%から26%の間を推移して苦戦している様子が見られ、ついに2020年11月はライズが1万627台に対しロッキーは1400台で、ついにライズの13%まで低下しました。

 ライズが好調を維持している要因には、いったいどのようなものが考えられるのでしょうか。トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「ライズを選ばれるお客さまのなかには、少しボディサイズが大きい『ヤリスクロス』を最初に検討していた方もいらっしゃいます。

 両車は搭載されるエンジンや価格の違いなどがあるものの、トヨタのSUVラインナップのなかではボディサイズが近いので、悩まれる方は相当います。

 ヤリスクロスを見に来た人が最終的にライズを選んだり、またその逆でライズを検討していた人がヤリスクロスを購入するパターンも見受けられる状況です」

 ヤリスクロスはトヨタが2020年8月31日に発売したコンパクトSUVで、ボディサイズは全長4180mm×全幅1765mm×全高1560mm、ガソリン仕様の価格は179万8000円から244万1000円と、ヤリスよりもやや上級クラスに設定されます(ハイブリッド仕様の価格は228万4000円から281万5000円)。

 発売後1か月間の受注台数は約3万9000台を記録するなど、ヤリスクロスも相当に人気の出たコンパクトSUVとなりましたが、ライズはヤリスクロスをきっかけに来店したユーザーを取りこぼさないという役割を着実に果たしたことで、トヨタSUVラインナップが盤石な体制を築いていることがうかがえます。

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1件のコメント

  1. 商品力ではなく顔の好みと単にブランド力の違い。
    保守的な田舎ならなおのこと、トヨタという名前が強い。
    店舗数については業販店が強いダイハツでは決して劣るものではないし
    体感ながら両方売れる立場からしたら値引き後価格が10万くらいの差ならトヨタが選ばれる傾向がある。

    本当に中立の記事なら書けばいいと思う。
    「さすが、トヨタは強い」と

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