「カウンタック」で5日間のラリーに参戦。イタリアの「美」と「食」を堪能するラリーイベント

コロナに負けるな! 美しいイタリアの地を美しいクルマが駆け抜ける!

●10月13日(火):フィレンツェ泊

センセーションを巻き起こしたガンディーニのオリジナルスタイリングにパガーニがモディファイを施した25thアニバーサリーのサイドビュー
センセーションを巻き起こしたガンディーニのオリジナルスタイリングにパガーニがモディファイを施した25thアニバーサリーのサイドビュー

 Piazza IV Novembreを出発。この日は、トーディ、オリヴィエート、そしてマジョーネサーキットを4周し、軽いランチ。ウンブリア州の美景を走り抜け、トスカーナ州のコルトーナ、アレッツィオを経てフィレンツェへ。

 この日のスペシャルステージは7.15km/12.19km/13.12kmと3つの公道閉鎖ヒルクライム。公道を閉鎖してガンガン走ることが楽しくなって来た。もちろん私はナビシートで楽しませていただくだけ。

 今日は間違えないようにと心に誓ったが、どうしても間違いが生じてしまう。

 走行距離:343.69km。ヘトヘトだ……。

 この日はホテルの最上階からフィレンツェの魅惑的な夜景を堪能しながらライトな夕食。

●10月14日(水):フィレンツェ泊

 フィレンツェからスタートし、フィレツェに戻るプログラム。今日のメインはつい先日、F1グランプリがおこなわれたばかりのムジェッロサーキットでの走行。

 ムジェッロサーキットではコンペティション組がメカニックと悪戦苦闘している様子がチラホラ。ここまで来るまでにエンジントラブルやボディダメージなどがあったのだろう。メカニックの腕前がこれからのタイムを決める。

 昼食はVillaovnaのルネッサンス期のお城。古城の前に並べられたカラフルなスポンサーステッカーが貼られたクルマがとても際立っていた。

 この日のスペシャルステージは4つ。5.27km/6.37km/5.27km/6.37kmの公道閉鎖ヒルクライムだ。クルマはムジェッロサーキットに置き、バスでホテルに移動。

 残念ながら、ここでピロは翌日、グッドウッドフェスティバル参加のため、旅立ってしまった。

 前夜祭からピロと過ごした4日間、間違いを連発してしまった不肖ナビゲーターだったが、彼の最高のドライビングを隣で体験することができ、また彼のファンに対する接し方を見て、驕り高ぶることなくとにかく「感謝の人」であることに感動した。こんなに「ありがとう」とすべての人に対して答える人に出会ったことはなかった。

 ピロはレース中、いつもクンタッチを磨いていた。クルマを愛し、クルマ文化を愛し、そしてその周りにいる人々を大切にしている今やモータースポーツ界のレジェンダ。ランボルギーニの新車も、ランボルギーニの歴史もピロによって世界中に知られていくことだろう。

 夜はフィレンツェの市長舎でディナーがおこなわれることになっていたが、コロナ感染防止対策、首相法令が発表され、突然、市長舎が使えなくなったと前日キャンセル。でもさすが主催者であるCanossa Events、素晴らしい会場を手配し、装飾も完璧にし、何事もなかったかのようにSt.Regisホテルケータリングの素晴らしいディナーが開催された。あっぱれだ。

 走行距離:164.57km

●10月15日(木):モデナ泊

 ホテルからバスでムジェッロサーキットへ。それからエミリアロマーニャ州に向かい、イモラサーキットへ。ここも最近、F1グランプリがおこなわれたばかり。イモラというといつもセナを思い出してしまう。

 この日はランボルギーニのテストドライバーのヴィンチェンツォがハンドルを握った。さすがのドライヴィングだ。彼はクンタッチを知り尽くしているという。

 イモラサーキット4周と7.48km/7.47kmのスペシャルステージ。今回最後のヒルクライムとなった。公道封鎖、病みつきになりそうだ。

 モデナのPiazza Romaに着く頃には雨が本格的になって来た。フェラーリ「250 SWB ベルリネッタ SEFAC」、フェラーリ「212 ベルリネッタ ツーリング」、アルファ ロメオ「1750 GTAM」、アストンマーティン「DB4 GT」、シェルビー アメリカン「マスタングGT 350」、ジャガー「E-タイプ・セミライトウェイト」、ポルシェ「911カレラ3.0 RS」、イソ・リヴォルタ「IR 300GT」、フォード「エスコートRS 1800」、ランチア アウレリア「B20GT」……などなど。

 次々とクルマが入ってくるなかには、ボディがかなり破損しているものも。必死にこの4日間を駆け抜けて来た様子がクルマに刻み込まれていた。

 少し雨が止んだところで表彰式。コンペティションのふたつのクラス、レゴラリタの優勝者、そして特別賞と、4つのチームが表彰台に上がった。シンプルな表彰式だったが、首にかけられた大きな月桂樹が印象的で、全員が楽しそうにしていた。

 走行距離:220.27km

 イベント最終日のディナーは、陸軍士官学校内で予定されていたが、これも前日にキャンセル。急遽用意された場所はモデナのムゼオ・エンツォ・フェラーリだった。モデナの星付きレストラン、L’erba del re のシェフ、ルカ・マルキーニが腕をふるい、フェラーリのクルマに囲まれての晩餐会となった。

車高の低いクンタッチはこういう所は要注意
車高の低いクンタッチはこういう所は要注意

 こうして4泊5日のModena Cento Oreの幕は閉じた。走行時間は約100時間、走行距離は約1000kmだった。

 思う存分、楽しんだ、美しかった、心配した、美味しかった、ドキドキした、感動した5日間だった。

 主催者であるCanossa Eventsの臨機応変の対応に脱帽。コロナ禍で、日々政府の法令が変わっていくなか、前日のディナー会場キャンセル2回。それも速やかに対応し、参加者を満足させる演出を見事にこなした。各クルマにGPS機能の携帯を持たせ、走行中少しでも遅れると探してすぐ連絡が来るという完璧なケアだった。

 今年は11のカーメーカーが集まり、20周年の記念すべきイベントを総勢600人というスタッフのサポート体制で、コロナ禍のなかラッツィオ州、ウンブリア州、トスカーナ州、エミリア・ロマーニャ州を走り抜け、楽しい思い出を作ることができた。このイベントに海外の参加者が多い理由がよく分かった。最高に楽しい!

 来年のModena Cento Oreも見逃せない。新型コロナウイルスの騒動が収まっていれば、日本からも是非参加してほしい。ランボルギーニ・ポロストリコもきっとサポートしてくれるだろう。勿論、他のヒストリックカーでも是非。11のクローズドのコース、3つのサーキット、そして「食文化」にも力を入れているイベントは他にはないだろう。

【画像】カウンタックで参戦した至高の5日間(51枚)

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