なぜMT廃止? 新型「ノート」登場で日産MT車は2車種に 増減させるメーカーの思惑とは

日産のコンパクトカー「ノート」がフルモデルチェンジし、新型モデルに全車e-POWERが搭載され、ガソリン車が廃止されました。それと同時にMT車の設定もなくなったのですが、今後日産のMT車はどうなるのでしょうか。

日産新型「ノート」は全方位に進化! 全車e-POWER搭載へ

 日産のコンパクトカー「ノート」がフルモデルチェンジし、2020年12月23日に新型モデルが発売されます。

 初代モデルが2005年に登場したノートですが、今回デビューする新型モデルは3代目にあたります。

全車e-POWER搭載する新型「ノート」
全車e-POWER搭載する新型「ノート」

「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」とのコンセプトに開発された新型ノートは、さまざまな面が進化しました。

 スタイリッシュなデザインは、2020年7月に世界初公開された日産初のクロスオーバーEV「アリア」と共通の意匠となる、新世代の日産デザインが採用されています。

 また、運転支援技術「プロパイロット」は、ナビリンク機能を日産として初めて備えています。さらに、全方位の「360°セーフティサポート」などの先進安全技術も充実しました。

 さらに、新設計のプラットフォームとシステムを大幅に刷新。パワーアップした第2世代の「e-POWER」を初搭載しました。

 第2世代のe-POWERは、より力強く上質な走りと効率化を高い次元で両立。スムーズな加速や、なめらかな減速制御、電動パワートレインならではの静粛性などを格段に向上させています。

 先代ノートはガソリン車も設定されており、1.2リッター直列3気筒ガソリンとスーパーチャージャー仕様の「DIG-S」をラインナップ。

 さらに、スポーティモデルとして、1.2リッターガソリン+スーパーチャージャーにCVTを組み合わせた「NISMO」、専用チューニングの1.6リッターガソリンエンジンと5速MTの「NISMO S」が用意されていましたが、新型では全車e-POWERとなったことからノートで唯一ラインナップしていたMT仕様は姿を消したのです。

 e-POWERのみになった理由について、日産自動車 執行役副社長 星野朝子氏が次のように説明しています。

「ガソリン車があったほうがたくさん売れると思いますが、ゼロ・エミッションの社会を日産がリードして作っていくというビジョンや、日産が進めている電動化に集中させていくということを決めています。

 それに則った代表的なモデルとして、新型ノートをe-POWERだけで出すことになりました」

※ ※ ※

 ノートのMT車が消滅したことになり、日産でMTを選べるのは「マーチ NISMO」と「フェアレディZ」のみになりました(OEM車除く)。

 マーチの標準モデルはCVTですが、先代ノートと同じように、スポーティモデルのNISMOにMTが設定されています。

 新型ノートでは、ガソリン車廃止(MTの廃止)に加え、NISMOの設定もなくなっており、関係者によると「いまのところNISMOを追加する計画はない」といいます。

 また、ミニバンでNISMOが設定されていた「セレナ」についても、2019年8月のマイナーチェンジでNISMOが消滅しています。

 日産車のカスタム仕様としては、2018年に新たにブランド展開が開始された「AUTECH(オーテック)」が担うことになり、モデルを続々と投入。

 現在は6車種のAUTECHブランド車が設定されていますが、これと引き換えにNISMOは数を減らしている状況です。

 そのため、マーチNISMOもいずれは廃止され、それと同時にMT車の設定がなくなる可能性があるといえるかもしれません。

 一方で、2020年9月に世界初公開された「フェアレディZ」のプロトタイプには、6速MTが設定されることが明らかにされました。

 チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏は、「フェアレディZは絶対にMTでなければいけないと思いました」と語っており、新型Zは自分で操る歓びを重視していることがわかります。

 日産のMT車は絶滅寸前の状態ですが、最後の砦ともいえるフェアレディZのMT存続は、ファンにとっては朗報といえそうです。

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