最新モデルでは当たりまえ!? クルマに本当に欲しい便利な装備とは

乗降性や後席の快適性をアップさせる装備が人気

 では実際どんな装備が欲しいのか、すでに実用化されているものをサンプルとし、30代から50代まで、さまざまな人に聞いてみました。

●ターンチルトシート

 トヨタ車として「ヤリス」に初搭載される新機構のシートです。これは前席のドアを開けて乗降しようとするとき、外側に回転(ターン)します。

トヨタ「ヤリス」のターンチルトシート
トヨタ「ヤリス」のターンチルトシート

 しかも座面先端が少し下がる(チルト)ことで、足の不自由な人だけでなく高齢者やスカートなどを履いている女性の乗降性を高めた装備です。

「はじめて見たとき、この装備だけ欲しくなりました。以前から福祉車両などには回転するシートがありましたが、多くは普通のシートのようにスライドすることができないデメリットもありました。

 また福祉車両というハードルが意外に高くて。その点、ターンチルトシートは普通にスライドできてシートも回転してくれる。これだけで、高齢者の乗降性は大幅に改善されると思います」(50代・男性)

●電動パワーゲート

 最近のミニバンやSUVで人気の装備となっている「電動パワーゲート」。リモコンで開閉できるものや、最近ではボディ下部にセンサーが装着されているハンズフリー式が登場しています。

「以前はミニバンに乗っていて電動パワーゲートは非常に便利でした。現在はハッチバックに乗り換えたのですが、電動パワーゲートがないのでちょっと不便です。ハッチバックやワゴンにも装着してくれれば、力のない女性や高齢者は助かります」(40代・女性)

 ちなみに、現在では「ハイエース」用や「プリウス」「クラウン」用など、車種別に『電動パワーゲート(バックドア)』の後付けキットも販売されています。

●スライド機構つきリアシート

 軽スーパーハイトワゴンとして大ヒットしているホンダ「N-BOX」などに採用されている機能で、限られた車内空間を手軽にアレンジできる便利機能。

 とくに後部座席は、ハイトワゴン系は採用例が多いものの、セダンやワゴンには装着されることがほとんどありません。

「ステーションワゴンに乗っていますが、普段ラゲッジはあまり使っていません。それなら後部座席の足元をもっと広くできるようなアレンジの幅があったら便利です。友人のN-BOXのほうが軽自動車なのに快適でした」(30代・男性)

 ちなみに、前述のN-BOXを含む一部の軽スーパーハイトワゴンの一部には、車内の移動が楽になる助手席の超ロングスライド機能もあわせて装備されている例もあります。

●後部座席用シートヒーター

 前席のシートヒーター装着車は増えましたが、意外に少ないのが「後部座席用シートヒーター」です。

 アフターマーケットで数多く出回っている座面に敷くタイプは手軽に装着できますが、座面がズレやすく快適とは言い難い部分もあります。

 最近ではスバル「フォレスター」やマツダ「CX-5」の一部グレードに装着車もありますが、まだまだ少数派です。

「後部座席に高齢者や子供などを乗せるケースが多いのですが、エアコン本体に近い前席は暖かくても、後部座席って意外に寒いです。またエアコンよりもシートヒーターのほうが体を暖めやすいので、もっと装着車が出てほしいです」(40代・男性)

※ ※ ※

 快適装備ではありませんが、オーディオやナビなどのスイッチ類の表示が大きく日本語で書かれているものを、高く評価する人も意外に多いようです。

 日本語表記はおしゃれではないものの、実用性に大きく影響する部分。そういった細かい部分に配慮した作りにユーザーは感動するものです。

 これからも、多くの人にとって優しい装備が充実することを期待しています。

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