あと10年強! 2030年半ばで純ガソリン車の新車販売禁止? ハイエースや下取り価格にも影響か

商用車の代名詞「ハイエース」はどうなる? 今後の中古車事情は?

 今回の政府の施策、詳しいことは近日中に分かりますが、これまでの報道で「ガソリン車」という表現を使っています。

 これはたぶん、内燃機関を意味することだと思います。つまり、ディーゼル車を含みます。

 カリフォルニア州のニューサム知事が電動車関連施策の発表をした際、「インターナルコンバッションエンジン(内燃機関)」と発言したものを、日本の報道では「ガソリン車」と訳しているからです。

 日本政府の施策も、カリフォルニア州と同じく、内燃機関車だと考えられます。

 また、カリフォルニア州では中大型トラックについてもZEV法の対象とすることを決めていますので、日本でも同様の対応が予想されます。
 
 日本市場は現在、新車販売の約6割がガソリン車とディーゼル車で占められています。

 近年、メーカー各社はハイブリッド車比率が上がってきており、この傾向がさらに進むと見込まれます。

 そのうえで、プラグインハイブリッド車とEVが徐々に販売台数を伸ばし、量産効果によって価格が下がり、さらに普及台数が伸びるというのが理想的に思えます。

 販売台数の多い軽自動車では、スズキがマイルドハイブリッドに対応していますが、今後は軽自動車でもっとも売れているホンダ「N-BOX」も電動化されることが確実になったといえます。 

 また、商用車の代名詞でもあるトヨタ「ハイエース」でも、少なくともマイルドハイブリッド化されることになると思われます。

 ただし、欧州CO2規制やアメリカや中国のCAFE(企業別平均燃費)のような、厳しいCO2総量規制が日本でも課せられることになると、プラグインハイブリッド車とEVの普及速度が一気に高まることも予想できるのです。

新型ノートはガソリン車を廃止し、e-POWER車のみを展開。
新型ノートはガソリン車を廃止し、e-POWER車のみを展開。

 ユーザーにとって「2030年半ば」はけっして遠い未来の話ではありません。

 ユーザーの現在の所有車、さらにこれからの車選びについても、少なからず影響が及びます。

 2030年半ばとは、いま(2020年12月)から数えて10年ちょっとしかありません。

 一般的な日本車のフルモデルチェンジで考えれば、2回程度に過ぎず、これから新車を購入しようとしているユーザーにとっては、平均車齢10年とすると、買い換えの際の下取り価格も気になるところです。

 10年経てば、評価額はかぎりなくゼロに近くなるのは一般的ですが、スズキ「ジムニー」や前述のハイエースなど車齢や走行距離が多くてもある程度の価格が維持されるモデルもあります。

 見方を変えると、2030年半ば以降、一部のガソリン車やディーゼル車には、最近の流行りのネオクラシックカーのように、プレミアムがついて売買されるようになるかもしれません。

 日本の自動車は2030年半ばに向けて、歴史的な転換期を迎えることになります。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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5件のコメント

  1. ある意味政府が欧州同様に環境問題の詭弁に乗っかったに過ぎない、
    結局は電動化した所で
    充電施設の供給源のクリーン電力化も進まぬ現状ではたいした環境保護にはならないし、
    バッテリー等を含む自動車の生産時等で生じる消費電力やCO2排出量も考慮していない
    見かけ計算上で言ってる根拠に乏しい詭弁の理論を政治パフォーマンスに利用してるだけであり、
    自動車工業界を敵に回さない為にも欧州以上に強気な方針は打ち出せず足並みを揃える程度にとどめ、
    2030年半ばと曖昧な努力目標設定な所を見ても明らかだよね、
    まともに環境問題を理解して良くする為に具体的に考えられた方針とは言えない、
    お笑い種だよ。

    • まあディーゼル規制の影でガソリン規制がヨタヨタ歩きだったのも事実だからね、但し内燃機関は駆動系の部品数からしても不利だし政の道具云々より消え行く運命だよね。
      今後は駐車状態で作業するゴミ収集車やらコンクリート圧送車やら自らの車体を動かす以上にエネルギーを必要とする車や機材や船舶や航空機だって例外無く考えなきゃならないしね。
      お笑いネタはネタとして最近はゴミ収集車も作業側の荷台限定で電動化されてる物が既に活躍してるけどマジ静でいいですよ

  2. 別に電動化推進が悪いと言ってるわけでは無いし、
    企業が生き残りをかけて環境対策に力を入れるのは正しい道、
    お笑い種なのは、
    実態を把握せず欧米の規制の相乗りモノマネの政治主導の在り方、
    この様な方針こそ羊頭狗肉と言えるんじゃないか?
    言いたいのは発電元自体をクリーン化しなければ自動車を電動化した所で限界が見えているのが
    政治家にはわかっちゃいないまたはそこを見て見ぬふりして都合のいい事だけ言ってるという点なんだけどね。

    • なら笛吹いて政治家を推して踊らせたのは誰なんだよ?
      普通なら飴と鞭の使い分けが肥やしになるが、その政治家の地元民こそ飴が貰えなくなったら政治家に何かと鞭を振るうでしょうに?
      俺からしたら二心丸出しで無能な奴等を政の舞台に押し上げる輩共こそこの国の病巣だと思うけどね。
      政治家のカメレオンぶりも見事だが政治家を推す連中も勝ち馬乗り換える変わり身の速さは見事だけどね。
      これだけ街中で電柱が電線が剥き出しでありながら走行中の車が電車やトロリーバスみたいに電気を取り入れながら走る技術も一度放棄した技術だからね〜

    • >ムカデのタップダンス
      しょうがねぇだろ。政治家なんてどいつも同じで、当選前は程の良いこと言って当選したら不祥事を起こす。どいつに票入れても同じだろ。それよりも滑稽なのはヨーロッパの言いなりという点だ。ユーロ5がどうのって、なぜヨーロッパの言いなりにならなくちゃいけない?

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