フェラーリ「250GT」が新車で蘇る!? 古くて新しいレストモッドとは?

レストアとモディファイを掛け合わせた造語「レストモッド」。いま、クラシックカーの世界では、このレストモッドに注目が集まっている。

クラシックカーを再生産して現代に蘇らせるのが、密かにブーム

 レストモッド(Restomod)という楽しみがあるのを、知っている人はどれだけいるだろうか。レストモッドとはクラッシックカーの嗜み方のひとつで、そもそもはレストアとモディファイを掛け合わせた造語だ。

 その言葉が物語るように、完全なオリジナルにこだわらず、現代の最新パーツを採用することでアップデートを図り、より快適なクラッシックカーライフを送ることを可能にすることをレストモッドと呼んでいる。

「GTOエンジニアリング社」が手掛ける「V12モダナ」は、フェラーリ「250GT SWB」のレストモッドといえる
「GTOエンジニアリング社」が手掛ける「V12モダナ」は、フェラーリ「250GT SWB」のレストモッドといえる

 このレストモッドの究極的な例が、クラッシックカーの再生産だ。

 ジャガーではこのクラシックカーの再生産を「コンティニュエーション」と呼び、2014年「Eタイプ・ライトウェイト・コンティニュエーション」を発表している。

 またアストンマーティンも同様の事業をおこなっており、「DBZセンテナリーコレクション」は、つい最近大きな話題となったレストモッドの代表的な例だろう。1960年代の名車の復刻モデルである「DB4 GTザガート コンティニエーション」と最新の「DBS GT ザガート」の2台セットでの19セット限定販売、価格はおよそ7億9000万円だった。

 このほかアストンマーティンでは2016年からは「DB4」のレース仕様といえる1959年製「DB4 G.T.」を再現した「DB4 G.T.コンティニエーション」を25台限定で復刻している。

 ベントレーでは、「ブロワー・コンティニュエイション・シリーズ」という名称で、1929年にサー・ティム・バーキンが製作しレースに参加した「チーム・ブロワー」を12台限定で現代に蘇らせるプロジェクトを立ちあげている。

 こうした復刻版モデルでは、当時の治具やオリジナルの金型なども使用するが、最新の製造技術も駆使して、かつての名車を現代に蘇らせている。そしてどうやら、このクラシックカーの再生産は、英国で盛んなようだ。

 今回紹介するのは、同じく英国のフェラーリ・スペシャリストとしてエンスージアストにその存在を広く知られる「GTOエンジニアリング社」が、これまでのノウハウを広く活用して完成させたレストモッドの1例である。

「V12モダナ」と呼ばれるこのモデルは、ボディシルエットからも想像がつくように、フェラーリが1959年から1962年にかけて生産した、「250GT SWB(ショート・ホイールベース・ベルリネッタ)」の現代版である。

【画像】古くて新しい現代に蘇ったヒストリックカーとは?(26枚)

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