ホンダ魂はいまも健在!? 初代「NSX」と新型「NSX」を乗り比べてみた!
あくまでドライバーが主役のスポーツカーという新旧に共通したホンダイズム
いずれも根底にあるのは、ホンダがかねてから強調している「人間中心」の思想であり、それを少しでもよい形で実現しようとしたことがヒシヒシと伝わってきた。
そういえば2代目NSXの発表時にその開発責任者が、ギターになぞらえて、初代のアコースティックギターから、2代目はエレクトリックギターになったという旨のコメントをしていた。
ギターに造詣のある筆者にとっては、エレクトリックギターは電気を使うがじつは非常にアコースティックな楽器であり、2代目のコンセプトを聞いた限りでは、どちらかというとギターシンセサイザーと表現したほうが相応しく、その後にドライブしてますますそう感じられたものだった。
ところが最新版をドライブすると、電気を使いながらもアコースティックな走りを実現していたので、その意味では件のコメントどおりになったわけだ。
あくまでドライバーが主役のスポーツカー。それこそ新旧NSXが共通して持つホンダイズムに違いない。
さらにはホンダの真骨頂はエンジンにあるが、もちろん十分に強力とはいえ、スペックをやみくもに追求せず、エンジンを主役にしていない。
やろうと思えばスペック主体でNSXをつくれなかったことはないはずのところ、2代目も最終的にV6を踏襲したあたりもNSXらしい。
ちなみに、ちょうど初代NSXが生産終了を迎えた頃に開発の最終段階にあったといわれる「HSV-010」には、当時の時代背景を反映し、F1直系のV10がフロントミッドシップレイアウトされるはずだった。結果的に市販化は見送られたことには、なにかしら因縁めいたものが感じられなくもない。
それぞれ当時としてはベストと考えてのことに違いなく、初代もそうだったが2代目は同価格帯で競合する海外のスーパースポーツ勢に対して、エンジンでは見劣りする感もあるのは否めないものの、最近の世の中の動向からすると、いわゆる「先見の明」になりそうな気もしてきた。
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なお、レンタカーショップのFun2Driveでは、新旧NSXのほかにもクルマ好きなら誰でも乗りたい魅力的なスポーツカーが豊富に揃えられている。
単独での試乗はもちろん、今回のような新旧比較をはじめ、人気漫画に登場した車種や、往年の280ps対決など、なんらかテーマに則して乗り比べられるようラインアップが工夫されている。興味のある人は、まずはWEBサイトを覗いてほしい。
HONDA NSX(NA1。1990年当時のスペック)
・車両価格:800万3000円(消費税含まず。東京)
・全長:4430mm
・全幅:1810mm
・全高:1170mm
・ホイールベース:2530mm
・車両重量:1350kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHC
・排気量:2977cc
・駆動方式:MR
・変速機:5速MT
・最高出力:280ps/7300rpm
・最大トルク:30.0kgm/5400rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤ前後:前205/50ZR15、後225/50ZR16
・10モード燃費:8.3km/L
HONDA NSX(NC1)
・車両価格:2420万円
・試乗車オプション込み価格:2763万1000円
・全長:4490mm
・全幅:1940mm
・全高:1215mm
・ホイールベース:2630mm
・車両重量:1800kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHC+3モーター
・排気量:3492cc
・駆動方式:4WD
・変速機:9速AT
・エンジン最高出力:507ps/6500-7500rpm
・最大トルク:550Nm/2000-6000rpm
・前モーター最高出力:37ps/4000rpm(1基あたり)
・前モーター最大トルク:73Nm/0-2000rpm(1基あたり)
・後モーター最高出力:48ps/3000rpm
・後モーター最大トルク:148Nm/500-2000rpm(1基あたり)
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤ前後:前245/35ZR19 後305/30ZR20
・WLTC燃費:10.6km/L
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