ホンダ魂はいまも健在!? 初代「NSX」と新型「NSX」を乗り比べてみた!

いまも昔も変わらず、日本を代表するスーパーカーに例えられるホンダ「NSX」。ただし初代と新型では、搭載されるパワートレインもまったく異なり、同じなのは車名だけ、という見方もできる。では本当に新旧NSXには繋がりがないのか。そこにホンダ魂(ホンダイズム)はないのだろうか。2台を乗り比べて感じたものとは?

誰もやっていないことにチャレンジして得た価値

 新旧NSXを同時に乗り比べたことのある人は、そうそういないんじゃないだろうか。そんな願ってもない機会に恵まれたのは、チャンスをつくってくれた編集担当とFun2Driveのおかげ。まずは心より感謝したい。

ホンダ初代「NSX」(左)と2代目新型「NSX」(右)
ホンダ初代「NSX」(左)と2代目新型「NSX」(右)

 そして読者諸兄も、箱根・仙石原にあるレンタカーショップ、Fun2Driveでレンタルすれば、同じように新旧NSXを乗り比べることもできる。2005年に現役をまっとうし、全7394台が生産されたという初代NSXのなかの貴重な1台が、こうしていつでも誰でも乗れる状態でスタンバイされているのだから。

 NSXという車名は、N=NEW、S=SPORT、X=EXPERIENCEに由来し、ホンダの考える「新たな走りの喜び」を提案するスーパースポーツの具現化を意味する。初代が世に出た当時のスーパースポーツというと、敷居が高く乗り手を選ぶものだったところを、NSXは乗りやすく快適で、同等の性能をはるかに低価格で実現していたことが世界中で高く評価された。

 一方、11年のインターバルを経て登場した2代目の新型NSXは、一気に2000万円台半ばまで新車価格が跳ね上がり、内容的にもこのカテゴリーで類を見ないほどの電動化技術を導入したハイテクマシンに生まれ変わり、強力な動力性能と未知なるハンドリング性能を実現した。

 そんな2台にあらためて触れると、やはりホンダはやることが良い意味で極端だなと感じる点では共通しているが、そこにあまり脈絡は感じられない。

 構造的にも、同じミッドシップでも横置きと縦置き、同じV6でも自然吸気とターボという大きな違いがある。また、じつはNSXのような高性能スポーツカーで1990年にATが設定されていたのも画期的な話なのだが、初代ではMTとATが選べたトランスミッションも、新型では近年の多くのスーパースポーツと同じくDCTのみとされた。

 そんななかでも共通して感じられたものがある。それは誰もやっていないことにチャレンジして得た価値がある点だ。

 初代のオールアルミモノコックボディによる当時としてはピカイチだった高い剛性は、30年が経過しても新車時のように維持されていることに驚いた。走りにダイレクト感があり、操縦感覚がとても素直であることも再確認できた。

 かたや2代目は、いわずもがな3モーターを駆使したスポーツハイブリッドSH-AWDによる新感覚のハンドリングだ。

 リアモーターがターボラグを補いつつ、フロントのツインモーターユニットが左右輪の駆動力と抵抗差によりトルクベクタリングをおこなうという仕組みで、登場当初は意思との位相遅れやズレを感じたところ、最新版はそのあたりが非常にナチュラルに仕上がっていることを今回確認できた。

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